2023 Fiscal Year Annual Research Report
新型流跡線流速測定法(PSV)による地中熱ヒートポンプシステムの高精度熱量評価
Project/Area Number |
22KJ1486
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
塚本 祐作 山梨大学, 医工農学総合教育部, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | PSV / 可視化計測 / ストリークシミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は地中熱ヒートポンプシステムの熱量評価技術への応用を念頭に,PSVと呼ばれる流体計測法の速度ダイナミックレンジや取得可能な速度ベクトル密度を改善する一連の計画に基づいている.昨年度はストリークの破壊頻度を分析する破壊シミュレーション技術が開発され、理論的な側面からPSVが達成可能な取得ベクトル数について新たな知見を得た。本年度においては,昨年度に開発されたストリーク破壊シミュレーション技術をさらに改良し、ストリークをコード化するめに付与されたドット数が取得可能なベクトル数に与える影響を検証した。本検証の結果、ドット数が増えるほど破壊頻度が増える一方で、ドットが持つ時刻付与効果を新たに考慮することで、既存の手法よりも2倍高いベクトル密度を達成できることを明らかにした。これら一連の成果は、特別研究員が独自に開発したストリーク破壊シミュレーション技術を用いることで、可視化計測に使用するレーザー光源の制御のみによってPSVにおける取得可能なベクトル密度を大幅に改善できることを示した最初の研究である。また、理論的な側面からドット数の影響を調査するアプローチは画期的であり、従来のような経験則に基づく実験パラメータの決定では実現できない高ベクトル密度計測への利用可能性を開拓するものである。一方で、実際の流れ場(二次元自由励起振動流れ)を対象とした実験的なアプローチでは、シミュレーションで考慮されていない流れの3次元性の影響が想定よりも大きいことから、予想されたベクトル密度を大幅に下回る結果が得られた。今後は、3次元ストリーク破壊シミュレーション技術の開発および比較的3次元性を制御しやすい旋回流場を対象とした実験を進め、PSVによる高ベクトル密度計測を実証する 以上の成果から,投稿論文1編(英文・筆頭),国内学会論文1編(和文・筆頭)の研究業績を得た.
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