2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of residual tooth recognition model using federated learning.
Project/Area Number |
22KJ1500
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清野 雄多 大阪大学, 歯学部附属病院, 特任研究員(常勤)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | 法歯学 / 身元確認 / 災害 / 深層学習 / 連合学習 / AI / ディープラーニング / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、口の中の写真(口腔内写真)から自動的に歯科所見を検出するAIを開発することです。そしてこのAIを災害時の身元確認のために利用します。 身元確認には3つの大きな課題があります。まず遺体から歯科所見を得るところです。つぎに生前の歯科所見をカルテから再構築するところ、最後に死後の歯科所見と生前の歯科所見を照合するところです。私たちは、遺体の口腔内写真から歯科所見を自動的に得るAIを開発しています。もちろん、このAIは生きている患者さんにも使えるので、生前のデータを蓄積することにも利用できます。その結果、死後と生前のデータを照合することも容易になります。 昨年度は、AIの開発にあたりハードウェア的な環境整備からはじめ、Kubernetes の仮想環境や機械学習ライブラリの整備等のソフトウェア的な環境構築とアノテーションを主に行いました。今年度はこれに加えて、プライバシー保護に配慮した機械学習手法である連合学習に着手しました。連合学習の中でも、中央サーバーの用いず、ノード間の通信をブロックチェーンで行なうSwarm Learning を採用しています。本研究ではまだ多くの拠点との連携は実現していないため、HPE 社のライブラリを無料で利用できる範囲内での実験を行っています。今年度はアノテーションを約1000例行い、簡易的な実験を行いました。歯牙の検出は精度約90%程度で行なうことができるようになりましたが、暗い写真等のイレギュラーなもので精度が落ちています。次年度はさらにアノテーション済みのデータセットを増やし、精度向上に挑みます。また歯科治療の方法は多岐に渡るため、どの程度の詳細度のアノテーションを行なうかも検討事項です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アノテーションに最も時間を取られることは予想しており、その下流にある機械学習のステップはそれほど大きく進捗はない予想であった。ただしアノテーションは約1000例済んでおり、歯科におけるAI研究では多いデータセット数である。その点で順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
まずはアノテーション済みのデータセットを増やして、約3000例を目標とする。これと並行して、アノテーションの詳細度について検討を行う。あらゆる歯科治療を網羅したアノテーションを施す場合、時間がかかりすぎるため、「身元確認に適した詳細度」について研究する。また連合学習に関しては、学外のノードとの連携について実証実験を行なう。
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Causes of Carryover |
次年度の予算と合わせて高額な計算機器を購入することができるようにするため。
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