2022 Fiscal Year Annual Research Report
コアフコース合成酵素FUT8の新規機能制御メカニズムの解明
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22J22131
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
富田 晟太 岐阜大学, 連合農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | OSTサブユニット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、糖転移酵素FUT8の機能制御メカニズムの解明を目的とし、特にオリゴ糖転移酵素 (Oligosaccharyltransferase: OST)サブユニットによりFUT8の機能が制御される分子メカニズムに着目している。令和4年度では、ノックダウン実験や免疫沈降、Native-PAGEにより、FUT8の活性を制御するOSTサブユニットと、FUT8と結合するOSTサブユニットの同定を行った。その結果、OSTの12種類のサブユニットの中で、Ribophorin (RPN) 1とRPN2がFUT8の酵素活性を正に制御することが分かった。また、結合に関しては、OSTサブユニットであるSTT3A, STT3B, KCP2, RPN1, OST48がFUT8と結合することが分かった。加えて、OSTサブユニットとFUT8の詳細な結合様式を明らかにするため、FUT8の特定のドメインを除いた変異体を用いてOSTとの結合を調べたところ、FUT8のStem領域がRPN1との結合に必要であることが明らかになった。また、それに派生する研究として、これまで不明であったFUT8のStem領域の機能についての解析を行い、本領域が、酵素活性そのものには必要ない一方、FUT8の多量体化に必須であることを明らかにした。以上の結果は、下記の論文と3つの学会で報告した (Tomida S. et al., JBC, 2022)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度の研究計画では、FUT8の活性を制御するOSTサブユニットの同定とFUT8と結合するサブユニットの同定を行うこととしており、両者とも令和4年度中に実施することができた。また、計画にはなかったが、FUT8の変異体を作製してRPN1とFUT8の結合にはFUT8のStem領域が関係することを明らかにした。この結果は今後FUT8とOSTの詳細な結合様式を明らかにする上で重要な情報であると考えられる。これらの事実から研究は順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度では、FUT8と結合するOSTサブユニットを同定した。一方で、FUT8と直接結合するサブユニットは未だ不明であり、FUT8とOST複合体の詳細な結合様式も分からない。そのため、FUT8やOSTサブユニットの特定の構造を除いた変異体を作製して引き続きFUT8とOSTサブユニットの結合について調べる必要があると考える。
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