2023 Fiscal Year Annual Research Report
三次元周期構造制御した高エントロピー合金の創製とその損傷メカニズムの解明
Project/Area Number |
22KJ1505
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
藤田 佳佑 静岡大学, 自然科学系教育部, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 金属疲労 / 粉末冶金 / 疲労き裂伝ぱ / 高エントロピー合金 / 窒化処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では高エントロピー合金(HEA)を対象に,HEA本来の優れた力学特性を維持したまま高強度・高延性化を達成するとともに,HEAの疲労破壊抑制指針を確立するために,三次元周期構造を有する金属材料の創製,疲労き裂伝ぱ試験を行った.具体的には,異なる直径を有するSUS粉末とHEA粉末を混合・焼結することで,焼結体内部の金属組織を周期的に変化させることが可能であることを明らかにした.また,粉末混合割合を変化させることにより,周期構造の形態を制御できた.これにより,高い下限界応力拡大係数を有するSUS304Lと,き裂開閉口しやすいCrMnFeCoNi 合金を組み合わせた材料が創製できた. また,予め窒化を施したHEA粉末を焼結することにより,焼結体内部に窒素元素が添加された焼結体を作製することも達成した.窒化を施したHEA粉末焼結体においては,窒素元素が拡散した焼結体を作製できた他,焼結温度を系統的に変化させた焼結体も作製できた.さらに,窒化粉末と未窒化粉末とを混合してから焼結することにより,窒素含有量を変化させた焼結体の作製にも成功した. 疲労き裂伝ぱ試験を行った結果,いずれの手法で作製した焼結体も高い下限界応力拡大係数範囲を有することにより,き裂開閉口が生じない高応力比条件において優れたき裂伝ぱ特性を発現することを明らかにした.これは,き裂開閉口に優れる一方で下限界応力拡大係数範囲が低く,き裂閉口の生じない高応力比条件における疲労き裂伝ぱ特性に劣る欠点を有するCrMnFeCoNi合金の実部材での適用可能性を示すものである.
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Research Products
(7 results)