2019 Fiscal Year Annual Research Report
Changes in limb posture with body size in sprawling quadrupeds: implications for the evolution of body size
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19J00701
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯島 正也 名古屋大学, 名古屋大学博物館, 特別研究員(CPD)
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2024-03-31
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Keywords | バイオメカニクス / ロコモーション / ワニ類 |
Outline of Annual Research Achievements |
這歩き動物における姿勢と体サイズの関連性を知り,体サイズ限界を推定する事は,這歩き→直立への姿勢進化が,中生代の四足動物巨大化の引き金となったのかを論じるうえで極めて重要である.これらの解明には,現生這歩き動物の生体実験による,体サイズ限界の理論的予測が不可欠となる.そこで本研究では,這歩き動物で最大サイズ(~6 m)を誇るワニ類に着目し,体サイズ増加に伴う姿勢,四肢の骨ひずみ,骨組織の材料特性の変化を直接測定することを目的とした. 2019年6月より,米国クレムソン大学にてアリゲーターの歩行実験を開始した.6月上旬に,クレムソン大学内の温室に飼育タンクや排水設備を整え,大学内の生物実験・倫理規定をクリアしたのち,ルイジアナ州のロックフェラー野生動物保護区から幼体~亜成体のアメリカン・アリゲーター12匹を引き取って飼育を始めた.数か月経過しアリゲーターが新たな飼育環境に慣れた後に,幼体・小型亜成体を使用して歩行時の四肢の3Dキネマティクス,床反力,体の重心の測定を行った. 実験の結果,アリゲーターの幼体は,小型亜成体に比べて①重心がより前方にあること,②前肢の垂直床反力が後肢のそれより大きい事,③ストライド長が長い事を見出した.アリゲーターでは,成長と共に体の重心が後方に移動し,これにより後肢の体重支持が大きくなるものと思われる.特に幼体の体重支持パターンは,霊長類を除く哺乳類に類似しており興味深い.この結果を,2020年米国統合比較生物学会@テキサス州オースティンにてポスター発表した.今年度は引続き中型亜成体でも同様の実験を行い,終了後に外科手術を伴う骨ひずみの測定に移る予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
採用一年度目は,筆頭論文4報,共著論文2報を国際誌に発表した.これらの多くは博士課程在学時の結果をまとめたものである.引続きポスドク期間中の実験結果もまとめ,今年度以降の論文化に向けて注力していく.今年度は,5月の国際ワニ学会@メキシコ・キンタナ州にて,アリゲーターの歩行実験のアップデートを発表する予定であったがCOVID-19の感染拡大により中止となった. また,4月から予定していた中型亜成体の実験が,大学のロックダウンに伴い延期となっている.実験再開の見通しはついておらず,計画の大幅な遅延も考えられる.大学再開後に速やかに実験に取りかかれるよう準備を整えるとともに,すでに得たデータの解析を進めていく.
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Strategy for Future Research Activity |
大学再開後に,引続きアリゲーターの中型個体の歩行トライアルとひずみ解析を行う.安楽死処置後に順次,四肢骨の安全率測定,骨組織の材料特性の測定,uCT撮影を行う.並行して,セントオーガスティン・ワニ園(フロリダ州)にて,アリゲーターの大型個体(体長2.0~3.5m)のビデオ撮影を行う.これに加え,10月にインドのChambal Riverにてインドガビアルのロコモーション測定を計画している.但し,COVID-19の状況次第で計画が中止になる可能性がある. 10月以降,イェール大学ピーバディ博物館,アメリカ自然史博物館で,化石ワニ(Deinosuchus sp., Crocodylus affinis, Leidyosuchus sp., Goniopholis sp., Thoracosaurus sp., Allognathosuchus mooki, Pristichampsa vorax, Necrosuchus ionensis)のCT撮影を行う.データの解析を進め,ワニ類の体サイズ依存の姿勢変化の論文をまとめ投稿する.米国統合・比較生物学会(2021年1月)に参加し成果発表する.
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[Journal Article] The Muensterelloidea - Phylogeny and Character evolution of Mesozoic stem octopods2019
Author(s)
Fuchs, D., Iba, Y., Heyng, A., Iijima, M., Klug, C., Larson, N., Schweigert, G.
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Journal Title
Papers in Palaeontology
Volume: 6
Pages: 31;92
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Discovery of a crocodyliform tooth from the upper Eocene Ergilin Dzo Formation, Mongolia2019
Author(s)
Iijima, M., Tsubamoto, T., Tsogtbaatar, K., Chinzorig, T., Baasankhuu, S.
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Journal Title
Acta Palaeontologica Polonica
Volume: 64
Pages: 775;778
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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