2023 Fiscal Year Annual Research Report
Observation of atmosphere and volcanic gas eruptions on Jupiter's moons
Project/Area Number |
22KJ1509
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
古賀 亮一 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 惑星科学 / 大気 / イオ / 紫外線 / 電波 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き木星衛星イオの火山活動が比較的活発である時期の、ひさき衛星によるイオ中性トーラスの紫外線観測結果をモデルの比較が可能になるように解析した。その上で、海外の研究機関の研究者の協力のもと、活発期のイオから散逸する酸素原子の外気圏高度や速度分布などのパラメーターが静穏期と比べて変化するかを議論した。特別研究員の期間ではその成果を公表できるまでには至らなかったものの、来年度の学会等の交流で成果をまとめ、論文化を目指すつもりである。ノイズの差分に用いるひさき衛星のキャリブレーション観測データを解析していくうちに、主ジオコロナの発光が大きく時空間変動していることに気づいた。この現象は天体の暗い発光を見る上で不都合であるものの、エウロパプルームなどの将来観測計画の検討や地球の外気圏の研究につなげることができた。 しかし、ALMA電波干渉計によるイオ大気の観測結果の解析はこれ以上進めることができず、 電波観測結果をモデルのイオ外気圏高度に反映させることはできなかった。これはアーカイブデータがすでに別チームによって解析が進められたこと、天候があまりよくなく散逸ガスの分布を推定するのが困難であることが原因である。今後はALMAや別の電波干渉計による新規観測提案を検討する必要がある。また、当初は予定していなかったが、実験によって二酸化硫黄の気体と固体の測定データを取得することができた。これを発展させることで昇華と凝縮の過程を大気生成・散逸プロセスの解明に組むことが期待できる。
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