2022 Fiscal Year Annual Research Report
胸部医用画像の自動疾患分析に基づく肺知能診断支援システムの開発
Project/Area Number |
22J15313
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鄭 通 名古屋大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 微細構造解析 / 疾患自動分析 / 特徴抽出 / 超解像 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年、我々は医用画像から肺の病変特徴を抽出し、それを基に治療計画を自動生成する手法の開発に注力しました。これは、医療分野におけるAIの応用を一歩進める試みです。初めに、我々はクラスタリングという手法を活用して、肺の病変部位の抽出を行いました。これは、画像上の類似性に基づいてピクセルをグループ化する方法で、特定の病変の形状や位置を明確に識別するのに役立ちます。この抽出結果に基づいて、ボクセル(3次元画像データの基本的な単位)の数を計算し、それにより疾患部位の体積と全肺に対する割合を算出しました。これは、病状の重篤さを評価し、治療の方向性を決定する上で重要な情報となります。
次に、我々は病変部位の超解像についての研究を積極的に進めました。我々は、切除した肺の標本を用いて、臨床CTとmicro CTの両方で撮影を行い、肺の医用画像データセットを作成しました。これにより、約0.5mmの解像度を持つ臨床CT画像と、マイクロメートルスケールの解像度を持つmicro CT画像を得ることができました。これら2種類の画像を位置合わせ(レジストレーション)し、対応する臨床CT - micro CTデータセットを作成しました。このデータセットを基に、我々は新たな超解像手法を開発しました。この手法により、臨床CT画像が超解像技術によりmicro CTと同じ解像度を達成できるようになりました。
この進展は、臨床CTの撮影だけでmicro CTと同等の解像度を達成することを可能にしました。これにより、撮影コストを大幅に削減し、医師と患者の負担を軽減することが可能となりました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過去一年間で、初めに設定した目標をほぼ達成しました。超解像に関する論文が1本、医学画像生成に関する論文が1本の雑誌に採択され、また、医学画像の超解像とセグメンテーションに関する論文1本を投稿しました。さらに、疾患部位の体積と全肺に対する疾患部位の割合を計算するプログラムを開発し、大規模なデータセットに対して良好な結果を得ることができました。
ただし、疾患部位の特徴抽出方法については、まだ開発段階にあります。私たちは様々なアプローチを試しており、選択した手法をできるだけ早く肺の大規模データセットに適用する予定です。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書通り、研究の後半は治療計画の自動作成に注力します。定量化した肺疾患データと患者情報を統合し、自動生成電子カルテの手法を開発。医師の過去の治療計画を基に、カルテと病変情報から治療計画を提示するモデルも開発します。その一環として、特化した形態素分析法でカルテからキーワードを抽出し、肺疾患部位の画像特徴情報と統合します。
研究成果を統合し、肺疾患診断支援システムを実装。このシステムは疾患部位抽出、カルテ生成、治療計画提示を行います。手術ナビゲーション手法と統合し、名古屋大学病院等で試験導入、医師からのフィードバックでシステム改善を進めます。
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Research Products
(3 results)