2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22KJ1575
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平田 貴士 名古屋大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 眼球運動 / 周辺視野 / 物体認知 / 位置推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで実施してきた実験では,上昇する物体に比べて下降する物体の位置を正確に推定する位置推定精度の非対称性は重力方向ではなく,観測者の身体の長軸方向に依存することを示した.また,下降する物体に対する追跡精度は,上昇する物体に比べて正確であることも示され,追跡精度に見られる非対称性おいても観測者の身体軸に依存することが示された.これらの実験により,我々は重力方向ではなく脚部方向に移動する物体を下降する物体として認識していることが示唆された. ヒトは,視野上方に比べて視野下方で捕捉した物体を正確に認識できることが多くの先行研究で示されてきた.この知見から,物体の位置推定の精度に見られる非対称性は,物体の運動方向(上昇・下降)ではなく,視野上下の認識精度に依存することが予想される.そこで,当該年度では,ヘッドマウントディスプレイを用いて,上昇もしくは下降する物体を観測者の視野上方と下方に提示し,移動する物体の位置推定の精度を評価した.実験の結果,物体の運動方向(上昇・下降)と物体の捕捉位置(上視野・下視野)の2つの要因が物体の位置推定の精度に影響することが示された.また,視野上方で上昇する物体を捕捉したときに限り位置推定の精度が低下した.この結果から,視野上方で上昇する物体を捕捉することで,上昇・下降する物体の位置推定の精度に非対称性が生じる可能性が考えられる.さらに,位置推定の精度に見られる非対称性は,重力方向ではなく視野の上下方向に依存する可能性が示唆された. 昨年度の研究成果は,国際論文誌 Journal of Visionに掲載された(Hirata et al., 2024).また,海外メディア“PsyPost”より取材を受けた.当該年度の研究成果については,論文投稿を進めている.
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Research Products
(2 results)