2022 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質のフォールディング機構相転移の網羅的探索とその物理的駆動力の解明
Project/Area Number |
22J21778
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森 祐二郎 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 蛋白質フォールディング |
Outline of Annual Research Achievements |
Staphylococcal nucleaseの構造形成機構は、リガンドであるアデノシン-3',5'-二リン酸、変性剤である尿素の濃度に依存して切り替わる。本研究の目的は、i)自発的フォールディングからリガンド結合によるフォールディングへと構造形成機構が切り替わる溶媒条件(アデノシ ン-3',5'-二リン酸、尿素濃度)をフォールディングの速度論の分光的測定に網羅的に探索することと、切り替わり周辺の溶媒条件下における反応に関わる分子種の安定性と構造に基づき、核磁気共鳴(NMR)法と変異体解析を用いることで、ii)各機構の構造形成に本質的な物理的駆動力を明らかにすることにある。 さまざまな尿素濃度、アデノシン-3',5'-二リン酸濃度においてォールディングの速度論の分光的測定を行い、Staphylococcal nucleaseのフォールディング機構の切り替わる溶媒条件を網羅的、俯瞰的に見出した。その際、野生型、及び同位体ラベルしたStaphylococcal nucleaseの発現精製を行った。また2022年度後半より、学振の若手研究者海外挑戦プログラムにより、米国Fox chase cancer centerにて、本研究課題の一部を行った。続けて当研究機関で実時間NMR法を用いて、フォールディング機構が切り替わる溶媒条件周辺においてフォールディングの速度論測定を行い、変性状態から天然状態に至るまでのリガンド結合と構造変化をアミノ酸残基レベルで解明する。これらの研究成果の一部を、日本生物物理学会にて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画だけでなく、当初予定していた学会発表、実験遂行のための米国への研究留学についても当初の予定通り進行しており、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り遂行する。
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Research Products
(1 results)