2022 Fiscal Year Annual Research Report
地衣類における緑藻共生とシアノバクテリア共生の遺伝的基盤の解明
Project/Area Number |
21J01026
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
升本 宙 京都大学, 地球環境学堂, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 菌類 / 藻類 / 共生 / ゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はCyphellostereum ushimanumのドラフトゲノムを新たに取得した。これまでにドラフトゲノムを取得した3種の地衣化担子菌(C. ushimanum,D. moorei,Multiclavula mucida)について,ゲノム中の糖質関連酵素(CAzyme)の保有レパートリーを子嚢菌門の地衣化菌のゲノムと比較したところ,C. ushimanumとD. mooreiはペプチドグリカンの分解に関与するCAZymeを複数個保有する点で独特であり,共生藻であるシアノバクテリアの細胞内に吸器を形成する両種の形質との関連が示唆された。また,M. mucidaはキシランの分解に関わるCAZymeを複数個保有する点で独特であり,発生基質である腐朽材への定着に関与する要素である可能性が示唆された。子嚢菌門の地衣化菌のゲノムと共通する特徴としては,ペクチンの分解に関わるCAZymeを欠く点,また,スクロースの分解に関わるCAZymeを保有する点などが挙げられる。担子菌M. mucidaと共生藻Elliptochloris subsphaericaの共生系については,共培養実験を実施して地衣体形成の誘導を行い,共生時に特異的な遺伝子発現をRNA-seqで解析した。その結果,地衣共生時において転写因子や輸送体,レクチンをコードする遺伝子の発現上昇が認められた。また,機能不明の推定低分子量分泌タンパク質をコードする遺伝子も発現が上昇しており,これらはMulticlavula-Elliptochloris間の地衣共生に関与する可能性が高い要素として,今後注目すべき対象であると考えられる。また本年度の野外調査においては,Cyphellostereum属の新規系統に位置する複数の未記載種が見出され,本属菌が温帯から冷温帯にまで分布していることが判明した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(5 results)