2022 Fiscal Year Annual Research Report
重力波天体の長時間活動と中心エンジンによる相対論的インフロー・アウトフロー
Project/Area Number |
21J01450
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石崎 渉 京都大学, 基礎物理学研究所, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
|
Keywords | 高エネルギー天体物理 / ガンマ線バースト / マルチメッセンジャー天文学 / 連星中性子星合体 / ブラックホール / パルサー / 高速電波バースト |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、ショートガンマ線バースト(sGRB)の中心エンジンの正体を解明するために、sGRBのプロンプト放射の後にみられる、10秒から10000秒程度と比較的長く続くX線放射に注目して研究を行っている。また、本年度からは当初の計画に加え、極限プラズマの加熱に関する素過程の理論研究を行っている。 本年度は、主に後者に関するテーマである、相対論的な磁化率を持ったプラズマ中での磁気流体波動の非線形相互作用を調査した。その結果、太陽磁気圏におけるプラズマ加熱の文脈で議論される波動加熱モデルを、コンパクト連星をはじめとした極限環境にも応用可能な形に拡張することができた。得られた結果は、ガンマ線バーストの中心エンジンだけでなく、コンパクト連星が起源天体の候補の一説とされている高速電波バーストの放射メカニズムの解明にまで波及することが期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度から開始したプラズマ加熱の素過程に関する研究について、得られた結果をまとめた雑誌論文を準備中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度は、プラズマ加熱の研究をさらにすすめ、ショートガンマ線バーストの中心エンジンのみならず、高速電波バーストや活動銀河核といった高エネルギー現象のモデルへ適用する。さらに、来年度から開始される重力波望遠鏡のO4観測で得られる最新の観測事実に注意を払いつつ、fallback降着モデルの詳細を詰めていく。
|
Research Products
(3 results)