2023 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア熱帯域における半地中性両生類の種多様性形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
22KJ1711
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福山 伊吹 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 系統解析 / 多様性 / 繁殖的形質置換 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は東南アジアに広く分布するチョボグチガエル属の種多様化・共存機構を明らかにすることで、熱帯域における半地中性両生類の種多様性形成メカニズムの解明を目的とする。令和5年度は、マレーシア・サラワク州における野外調査で、新たにチョボグチガエル属の標本および音声データを得るとともに、現地の研究機関に所蔵している標本を計測し、体サイズなどのデータを追加で得た。また、7月にアメリカで開催された国際学会でこれまでの成果を発表した。前年度までの研究で行ったミトゲノム決定と系統解析、分岐年代推定、体サイズの祖先形質復元のデータに加え、新たに核DNAの一塩基多型を用いた系統解析、オスの成体の体サイズと鳴き声の周波数の相関関係についても解析を行った。これらの結果から、チョボグチガエル属の系統関係はミトコンドリアDNAと核DNAで不一致が生じていること、オスの成体の体サイズの大型化および小型化と相関して、鳴き声の周波数の低下および増加がそれぞれ生じていることが明らかになった。よって、チョボグチガエル属が3種以上同所的に生息する唯一の地域であるボルネオ島では中型の祖先からの大型化、小型化およびそれに伴う鳴き声の周波数の変化が平行的に生じており、ボルネオ島では体長と鳴き声の繁殖的形質置換によって複数種の共存が可能になっていると考えられた。これらの成果の一部は現在、投稿論文としてまとめており、近日中に国際誌へ投稿予定である。
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[Presentation] Biogeography and body size evolution inferred from mitogenomic phylogeny of Kalophrynus (Amphibia: Anura: Microhylidae) in Southeast Asia2023
Author(s)
Ibuki Fukuyama, Masafumi Matsui, Misbahul Munir, Koshiro Eto, Yazid Hossman, Amir Hamidy, Daicus Belabut, Norhayati Ahmad, Ahmad Sudin, Mohamed Maryati, Paul Yambun, Kunio Araya, Hoi-Sen Yong, Jarujin Nabhitabhata, Panupong Thammachoti, Tomohiko Shimada, Kanto Nishikawa
Organizer
Joint Meeting of Ichthyologists and Herpetologists (JMIH) 2023
Int'l Joint Research