2023 Fiscal Year Annual Research Report
炭素ラジカル由来の有機金属種を利用したジオール類の触媒的不斉構築
Project/Area Number |
22KJ1718
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
都築 咲保里 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 有機硫黄化合物 / スルフィンアミド / スルフィンアミジン / 不斉合成 / スルフィンイミデートエステル |
Outline of Annual Research Achievements |
4価有機硫黄化合物は有機合成上重要な分子構造であるのにくわえて、医農薬品の部分構造としての利用も期待される。しかしながら、スルホキシドを除く4価有機硫黄化合物の応用研究は、6価有機硫黄化合物に比べて進んでおらず、その原因として実用的な合成法の欠如が挙げられる。 一般的に4価有機硫黄化合物であるスルフィンアミドは、スルフィニルクロリドへのアミンの求核置換反応によって合成される。しかし、この合成法では不安定化学種であるスルフィニルクロリドを調製する必要がある。また近年、窒素原子上が無置換のスルフィンアミドをヒドロキシルアミン誘導体などと反応させることで、アミン部位の交換反応が進行することが報告された。これによって窒素原子上が一または二置換のスルフィンアミドを合成することができるが、これらの反応では銅やユーロピウムなどの金属触媒を必要とするため、さらなる改良が望まれていた。 このような背景のもと、私は窒素原子上が無置換またはピバロイル保護されたスルフィンアミドとアミンをヘプタン溶媒中で加熱することで、アミンによる求核置換反応が進行することを見出した。本反応は金属触媒や添加剤などを用いることなく、窒素原子上が一置換または二置換のスルフィンアミドが効率的に得られる。 また、スルフィンアミドの窒素類縁体であるスルフィンアミジンは不斉合成だけでなくラセミ体合成の例もいまだ少ない。昨年度、光学活性なスルフィンイミデートエステルの簡便な調整法を開発し、それが炭素求核剤と反応することを見出している。それらの知見を活かし、本年度は光学活性なスルフィンイミデートエステルと窒素求核剤との反応によるスルフィンアミジンの不斉合成法の開発に取り組んだ。その際、ラセミ化の現象が確認されたが溶媒などの種々の反応条件を検討した結果、様々なスルフィンアミジンを高い光学純度で得る方法を見出すことに成功した。
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