2021 Fiscal Year Annual Research Report
RNAスイッチテクノロジーを基盤とした人工環状mRNAのエンジニアリング
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21J23160
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
亀田 重賢 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | circRNA / 細胞種特異的な遺伝子発現制御 / IRES / miRNA / 人工環状mRNA / 遺伝子発現の持続性 / RNA結合タンパク質 / 結合モチーフ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、細胞種特異的な生体分子としてマイクロRNA(miRNA)とタンパク質に注目し、これらをトリガーとして翻訳制御を行う人工環状mRNA(circ-mRNA)を設計した。 miRNA応答性のcirc-mRNAについて、HEK293FTと種々のmiRNA mimicを用いたモデル系で評価を行い、標的miRNA特異的なOFF制御が可能であることを示した。また、制御配列やその他アクセサリー配列について最適化を行い、HeLa細胞やA549細胞など、一般的に用いられているモデル細胞に特異的な、内在性のmiRNAによる制御も可能であることを示した。 タンパク質応答性のcirc-mRNAについて、特定のRNA結合タンパク質とその結合モチーフを用いてIRESのエンジニアリングを行い、標的タンパク質存在下においてIRES依存的な翻訳をOFF制御可能なシステムの構築と最適化を行った。 次に、上記2種類のOFFスイッチを組み合わせ、miRNA応答性のON回路を構築した。この回路では上流のmiRNA応答性circ-mRNAに搭載されたタンパク質が下流のタンパク質応答性circ-mRNAの制御を行うように設計されているため、標的miRNA存在下において、最終的な出力がONとなる。構築したON回路の持続性を評価したところ、我々が開発したcirc-mRNAベースのON回路は、従来の線状mRNAを用いたものよりも遥かに優れた持続性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度までの研究において、培養細胞系を用いた評価と人工環状mRNAのデザインの最適化を完了した。また、in vivoにおける評価の事前検討も概ね完了していることから、順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
ルシフェラーゼアッセイによるin vivoイメージングにより、in vivo系における基本的なパフォーマンスや、細胞・臓器特異的な遺伝子発現制御の特異性を評価する。また、circ-mRNA導入後のマウスの生体資料を用いた解析から、免疫原性の評価を行う。 加えて、更なる性能向上と翻訳制御のトリガー分子の拡張を目的とし、分子進化による新規RNAモチーフや機能性RNAの取得を行う。
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