2023 Fiscal Year Annual Research Report
RNAスイッチテクノロジーを基盤とした人工環状mRNAのエンジニアリング
Project/Area Number |
22KJ1729
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
亀田 重賢 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | circRNA / 脂質ナノ粒子(LNP) / 標的臓器特異的な遺伝子発現制御 / circRNA-LNP製剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は環状RNAスイッチ (circRNA switch)のin vivoでの応用を目的に、circRNA switchの配列要素と輸送担体である脂質ナノ粒子(LNP)の組合せ最適化を行うことで、標的臓器での遺伝子発現を維持しつつ、非標的臓器での遺伝子発現(オフターゲット)の抑制に成功した。 具体的には、脾臓でのオフターゲットを示す肝臓標的化LNPに、脾臓特異的なmiRNAに応答するcircRNA switchを封入したcircRNA-LNP製剤を作製し、マウスの尾静脈より投与した。その結果、miRNAへの応答性を示さないコントロールの製剤では脾臓での遺伝子発現が観察されたのに対し、circRNA switch製剤では脾臓での遺伝子発現が80%程度抑制された。また、肝臓でのオフターゲット示す脾臓標的化LNPに、肝臓特異的なmiRNAに応答するcircRNA-LNP製剤を用いた実験では、同様に肝臓での遺伝子発現が80%程度抑制された。 記の結果を受け、当初の研究方針の通り、肝臓がんモデルにおいて正常な肝臓細胞と肝臓がん細胞を識別し、がん細胞特異的に自殺遺伝子を発現させることで治療を行うcircRNA switch-LNP製剤の作製に着手した。現在は肝臓がんモデルマウスを樹立し、がん細胞の性状解析までを完了している。今後は性状解析の結果をもとにデリバリー用LNPやcircRNA switchの標的分子並びに搭載する自殺遺伝子の選定を行う。
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