2023 Fiscal Year Annual Research Report
鏡像スクリーニングを用いた低免疫原性鏡像型モノボディの創製と応用
Project/Area Number |
22KJ1842
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩本 直也 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Keywords | 鏡像型タンパク質 / タンパク質化学合成 / 抗体様分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、鏡像スクリーニング戦略による、全配列がD-アミノ酸からなる鏡像型抗体様分子の創製を目指した研究を展開してきた。本年度は、スクリーニングに用いる鏡像型標的タンパク質の取得に向けた検討を継続するとともに、これまでに見出された鏡像型抗体様分子の構造展開を行った。 ①腫瘍免疫に関わるタンパク質間相互作用を阻害可能な鏡像型抗体様分子の創製:スクリーニングに供する鏡像型標的タンパク質の取得に向けて、昨年度までに、2種類の腫瘍免疫に関わる膜タンパク質の細胞外ドメインの配列構築法を確立した。このうち1種類について、生物活性を示す活性型構造を得ることに成功した。 ②血中滞留性の改善に利用可能な血清タンパク質結合性鏡像型抗体様分子の創製:昨年度に引き続き、血清タンパク質に含まれるドメイン構造の化学合成に取り組んだ。合成した全長配列を適切なフォールディング条件に付すことにより、生物活性を有する活性構造へと導いた。合成タンパク質の生物活性は、既知のタンパク質受容体及び蛍光プローブとの結合評価により確認した。また、確立した条件に基づき、鏡像型ドメイン構造の配列構築・フォールディングを行った。種々の解析により、合成した鏡像型タンパク質が天然型タンパク質と鏡写しの構造・機能を有していることを確認した。 ③鏡像型抗体様分子の構造活性相関研究:本年度から、これまでに見出された創薬標的に結合する鏡像型抗体様分子の構造活性相関研究に着手した。効率的な化学合成を可能にするアミノ酸置換を導入した複数種類の改変体を合成するとともに、側鎖の反応性官能基に対する修飾反応により誘導化を行った。得られた誘導体の熱安定性及び標的タンパク質への結合活性を網羅的に評価し、親和性・安定性に優れた誘導体を見出した。
|
Research Products
(5 results)