2023 Fiscal Year Annual Research Report
新型コロナウイルス感染症の水際対策に関する定量的評価
Project/Area Number |
22KJ1852
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安齋 麻美 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 新型コロナウイルス感染症 / COVID-19 / SARS-CoV-2 / 感染症疫学 / 水際対策 / 検疫 / 数理モデル / 人の移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、人の移動と感染症の日本国内への侵入との関係について検討し、日本でCOVID-19に対して実施された水際対策の効果を明らかにすることである。2023年度は日本国内での人の移動と感染拡大の関連および水際対策の効果に関する検討を行い、以下の成果を得た。 (1)都道府県間の人の移動量と県境をまたぐ移動歴を有する感染者数を用いて県外からの感染者の流入数を推定する統計モデルを構築し、人の移動の影響について定量的評価を実施した。出発地の感染者数および都道府県間の移動量が輸入感染者数の推定値に与える影響を検討した。これらの検討により得られた結果から、人の移動を制限する対策を実施する際に、都道府県間の移動量の重みを考慮する必要性が示唆された。この研究については論文発表済みである。 (2)日本でCOVID-19に対する水際対策の一環として実施された渡航制限が日本への感染者の侵入動向に与えた影響を検討した。日本への渡航制限およびCOVID-19パンデミックがなかった場合の入国者数の反事実シナリオを作成し、渡航制限およびCOVID-19パンデミックによって日本への入国が防がれた感染者数の推定を試みた。COVID-19パンデミックおよび渡航制限により日本への渡航者数は大幅に減少しており、多くの感染者の日本への侵入が防がれたことが示唆された。この研究については、学会発表を行い、論文を投稿中である。 (3)2020年12月から2021年1月にかけて実施された日本のSARS-CoV-2アルファ株に対する水際対策の強化について着目し、入国状況の記述的分析を実施した。この成果については論文投稿準備中である。
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