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2023 Fiscal Year Annual Research Report

巨大リポソームを用いたABCA1の脂質輸送機構の解明

Research Project

Project/Area Number 22KJ1873
Allocation TypeMulti-year Fund
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

坂田 和樹  京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2023-03-08 – 2024-03-31
KeywordsABCA1 / コレステロール / 脂質 / HDL / リポソーム / タンパク質精製
Outline of Annual Research Achievements

ATP-binding cassette A1(ABCA1)はATPのエネルギーを利用して高密度リポタンパク質(HDL)を産生し、動脈硬化の予防に大きく貢献している。ABCA1はコレステロールを含む様々な脂質を排出することが報告されているが、それらの脂質をどのように排出するかについてはほとんど解明されていない。本研究では、人工脂質粒子(リポソーム)を用いてABCA1による脂質輸送の詳細を解明することを目的とした。
2022年度の研究では、まずヒト細胞に発現させたヒトABCA1を精製し、リポソームに再構成して脂質がABCA1のATP加水分解活性に与える影響を解析した。その結果、ABCA1のATP加水分解活性は負電荷脂質存在下でコレステロールによって上昇することが明らかとなった。一般的にABCタンパク質の基質はATP加水分解活性を誘導するため、ABCA1はコレステロールを基質として認識することが示唆された。また、植物ステロールはABCA1のATP加水分解活性をほとんど誘導しなかったことから、ABCA1によるコレステロール認識は厳密であることが示唆された。さらに、HDL形成を人工的に再現する初期段階として、リポソーム融合法を用いて精製ABCA1を巨大リポソームに組み込むことに成功した。
2023年度の研究では、ヒト細胞で最も豊富な負電荷脂質であるホスファチジルセリン(PS)に着目し、ABCA1の活性への影響を解析した。その結果、ABCA1のATP加水分解活性はPS濃度依存的に上昇し、生理的に豊富なPSを含む複数のPS種でコレステロールによるATP加水分解活性の上昇が確認された。さらに、PSをABCA1発現細胞に添加することでABCA1によるコレステロール排出量の増加が見られた。以上から、PSがABCA1によるATP加水分解活性およびコレステロール排出活性を制御することが示唆された。

  • Research Products

    (2 results)

All 2024

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] The ATPase activity of ABCA1 is increased by cholesterol in the presence of anionic lipids2024

    • Author(s)
      Sakata Kazuki、Kioka Noriyuki、Ueda Kazumitsu、Kimura Yasuhisa
    • Journal Title

      The Journal of Biochemistry

      Volume: - Pages: -

    • DOI

      10.1093/jb/mvae003

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ABCA1 のコレステロール認識におけるリン脂質特異性の解析2024

    • Author(s)
      坂田和樹、木岡紀幸、植田和光、木村泰久
    • Organizer
      第65回 日本脂質生化学会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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