2022 Fiscal Year Annual Research Report
Generation and Manipulation of multiphoton entangled state using pre-selection and post-selection
Project/Area Number |
22J14998
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
Park Guebae 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 光量子情報処理 / 多光子量子状態 / 非線形光学結晶 / 線形光学ネットワーク / 多光子量子干渉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、事前事後選択による多光子量子もつれ状態の生成と制御の研究に向けて、①多光子対の光源開発に関する研究、②線形光学ネットワークから生成可能な多光子多モード量子もつれ状態がもつ性質に関する研究を行った。
まず、①では、多光子量子状態生成の主な課題とである光子対源の高効率化に関する研究に取り込んだ。特に本研究では、非線形光学現象(自発的パラメトリック下方変換)で生成された光子対のシングルモードファイバーへの高効率化に関する研究を行った。具体的には、非線形結晶に入射された励起光の集光条件と、非線形結晶から生成され、シングルモードファイバーへ結合する光子対がもつ集光条件を制御することで最適化可能であることを示した。その結果、シングルモードファイバーへの結合効率が99.0+/-1.3%まで達成することができた。
次に、②の研究では、線形光学ネットワークは光量子状態の制御によく用いられている。しかし、単一光子源と線形光学ネットワークのみでは、生成不可能な量子状態がある。その状態をノンフォック状態と定義する。特に、本年度には、生成されたノンフォック状態のコヒーレンス(重ね合わせ状態)の検証を行った。また、得られた測定結果(光子数分布と干渉縞の明瞭度)に基づいて、量子状態の忠実度を用いて評価を行った。その結果、実験値として92.2+/-3.4%の高い値が得られた。一方、線形光学ネットワークから生成可能な量子状態は最大の忠実度を3/4しかならないことを理論的に示し、実験的に生成した量子状態は、ノンフォック状態であることの検証に成功した。さらに、特別な測定(単一光子の射影測定)の忠実度の閾値を理論的に計算して5/6であることを示した。この結果は、明らかに実験値より、小さいため、生成された量子状態は、特別な射影測定の条件で生成された量子状態であることも実験的検証できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では,まず,多光子量子状態の生成および制御する実験として,複数の単一光子源が必要となる.特に,多光子量子状態の生成効率は単一光子源の生成効率に指数関数的に比例するため,効率的な単一光子源の開発は必要不可欠となる.本年度には,効率的な単一光子源の開発に向けて自発的パラメトリック下方変換から光子対のシングルモードファイバーへの高効率化に成功して最大99.0+/-1.3%まで達成した.したがって,効率的な光源を用いて多光子量子状態の測定時間の短縮が期待される. 次に,多光子量子状態の生成および制御は複数のビームスプリッタや位相制御素子などの線形光学素子で構成される線形光学ネットワークが主に用いられる.本研究でも線形光学ネットワークからのユニタリ変換を用いて多光子量子状態を生成および制御する予定である.したがって,線形光学ネットワークから生成される多光子量子状態の特徴を評価することは重要であり,本年度は、線形光学ネットワークから直接に生成することが不可能な量子状態であるノンフォック状態の評価を行った.特に,ノンフォック状態の評価のため,理論的な忠実度の閾値を導き,実験的に生成したノンフォック状態の忠実度が理論値を超えることを確認できた.
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度には,令和4年度に開発した単一光子源を用いて多光子量子状態の生成および制御に取り組む予定である.また,現在構築されている線形光学ネットワークに時間の事前選択および周波数の事後選択システムの拡張を行う.特に,周波数の事後選択システムは,小型で波長分散が大きいfiber bragg gratingと長い光ファイバーを組み合わせて開発する予定である.システム拡張を行った後に,多光子量子状態の3光子のW状態を実際に生成して事前事後選択を用いて制御を行う予定である.
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