2022 Fiscal Year Annual Research Report
Morphological analysis of cell type-specific synaptic inputs to Somatostatin-positive cortical inhibitory neurons
Project/Area Number |
22J15034
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 慧 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | ソマトスタチン発現神経細胞 / シナプス / ウイルスベクター / 組織透明化法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではウイルスベクターと遺伝子改変マウス、組織透明化法を組み合わせ、神経細胞の3次元的な形態解析を実施している。報告者らは、蛍光チラミドを用いたシグナル増感法(Yamauchi, [5名省略] Takahashi et al. [5名省略], 2022, Sci. Rep.)を、アデノ随伴ウイルスベクターを用いてGFP標識した神経細胞に対して適用することで、形態解析ステップの正確性の向上と効率化が実現されることを見出した。そこで本年度では応用として、本手法をマウスの前障領域におけるパルブアルブミン発現神経細胞とソマトスタチン発現神経細胞(SOM細胞)に適用し、これらの神経細胞が特徴的な樹状突起や軸索の走行様式を示すことを学術誌に発表した(Takahashi et al. [10名省略], 2022, Neurosci. Res.)。 SOM細胞へのシナプス入力様式の解析は、興奮性細胞由来のシナプス入力に関するデータ収集が完了し、現在分析を進めている。また抑制性神経細胞由来のシナプス入力の解析では、これまでの実験手法では検出が困難であった細胞種からのシナプス入力も定量的に同定しており、新たな結合様式を見出しつつある。これらの形態学的解析に基づくシナプス入力の空間密度分布のデータを踏まえて、これらのシナプス入力様式がもつ機能的、生理学的な意義を検証可能な実験系の構築についても合わせて探索していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ソマトスタチン発現神経細胞に対するシナプス入力様式の解析データは、順調に取得が進んでいる。また新しく開発した神経細胞の標識手法を用いることで、今後のシナプス入力様式解析に要する労力と時間を大幅に削減すると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、ソマトスタチン発現神経細胞に対するシナプス入力様式の解析について、残るデータの取得を行っていく。得られた形態学的解析に基づくシナプス入力の空間密度分布のデータに基づき、これらのシナプス入力様式がもつ機能的、生理学的な意義を検証可能な実験系の構築を探索していく。
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