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2023 Fiscal Year Annual Research Report

Elucidating the physiological and ecological factors that cause diversification of food-derived toxins in the Japanese natricine snake, Rhabdophis tigrinus

Research Project

Project/Area Number 22KJ1886
Allocation TypeMulti-year Fund
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

井上 貴斗  京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2023-03-08 – 2024-03-31
Keywords生物毒素 / 餌由来毒素 / 細胞毒性 / 毒素代謝 / 毒素の母体供給 / ヒキガエル / ヤマカガシ
Outline of Annual Research Achievements

・液体クロマトグラフィー(LC)/質量分析法(MS)を用いて、日本各地のヤマカガシおよびヒキガエルの毒液の化学分析をさらに進め、ヒキガエルとヤマカガシにおいて地域性の高いbufadienolide類(BD類)をそれぞれ一つずつ(それぞれ化合物Aと化合物Bとする)見出し、その化学構造を決定した。
・上で述べた、ヒキガエルにおいて地域性が高かった化合物Aの標品をヤマカガシに給餌し、ヤマカガシにおいて化合物Aがどのように変換されるか解析した。その結果、化合物 Aは上で述べた、ヤマカガシにおいて地域性が高かった化合物Bの前駆体であることを証明した。そして、上で述べたヤマカガシにおけるBD組成の地域特異性には、毒源であるヒキガエルのBD組成の影響が強く反映されていると推測した。
・上記化合物AとBの毒性をヒトがん細胞を用いて評価した。
・単一個体群内におけるヤマカガシのBD組成に見られる性差・季節差をLC/MSを用いて解析した。また、妊娠したメスのヤマカガシを用いた産卵試験、およびヒトがん細胞を用いた毒性試験によるアプローチを加えることで、妊娠したヤマカガシのメスにおけるBD類の子への母体供給について、その供給経路や、供給における成分動態とその意義、供給による母ヘビ、子ヘビの化学防御力への影響を解析した。その結果、ヤマカガシのメスから卵黄、そして次世代の子ヘビまでにおけるBD類の成分動態とその意義について、重要な知見を得た。特に、ヤマカガシにおける特徴的なBD類変換反応の一つであるC-3位水酸基のエピメリ化の主な意義について推測できたことは大きな成果である。さらに本研究から、ヤマカガシにおいてBD類は、孵化後の幼体の生存において特に重要な役割をもつ可能性が高いと明らかにし、BD 類の生態学的意義の理解をさらに深めることができた。
(現在、これらの成果は投稿準備中であり、詳細は差し控える)。

  • Research Products

    (4 results)

All 2024 2023

All Presentation (4 results)

  • [Presentation] 母ヤマカガシ (Rhabdophis tigrinus) の毒による子孫 への化学的ケア―餌由来毒素の供給におけるトレードオフ―2024

    • Author(s)
      井上貴斗、吉永直子、森哲、森直樹
    • Organizer
      2024 年度日本農芸化学会
  • [Presentation] ヤマカガシ属ヘビの毒組成におけるヒキガエルの影響とヘビ自身の変換能力による影響の比較2024

    • Author(s)
      井上綾、井上貴斗、森哲、森直樹
    • Organizer
      2024 年度日本農芸化学会
  • [Presentation] ヤマカガシ・ヒキガエルにおける遺伝的境界と防御用毒組成の関係2024

    • Author(s)
      内藤正成、井上貴斗、森哲、森直樹
    • Organizer
      2024 年度日本農芸化学会
  • [Presentation] ヤマカガシ属ヘビの保有するエサ由来強心性ステロイド毒 (Bufadienolides) 組成の種間差2023

    • Author(s)
      井上綾、井上貴斗、森哲、森直樹
    • Organizer
      2023 年度日本農芸化学会 中部・関西支部合同大会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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