2023 Fiscal Year Research-status Report
Everlastingに安全な量子ゼロ知識証明の構築及び安全性証明
Project/Area Number |
22KJ1969
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
廣岡 大河 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | 量子暗号 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究は大きく分けて二つに分けられる。 一つ目は、Certified Everlasting安全な関数型暗号の構成である。Certified Everlasting安全性においては、暗号化されたデータが正しく消去されたか確認することができる。暗号化されたデータが正しく消去された場合には、後から計算量的な仮定が破れたとしても安全性が成り立つ。昨年度の研究において、鍵クエリ回数が限定されているCertified Everlasting安全な関数型暗号を構成した。本年度はその構成方法をさらに吟味することにより、何回も鍵クエリーできる安全性を持った構成方法を構成した。
二つ目は、量子暗号に対するUniversal Constructionに関する研究である。 Universal Constructionとは、暗号が存在するという仮定が成り立つ限り、安全な暗号方式のことである。多くの量子暗号方式の安全性は仮定に基づいており、仮定が破れては安全性が成り立たないため、できるだけ弱い仮定に基づいた方式を構成することが重要である。Universal Constructionは、暗号の存在性という最も弱い仮定に基づいた暗号方式であるため、この構成方法を示すことは安全性にとって重要である。これまでの研究では、量子暗号においてはUniversal Constructionは構成されてこなかった。本研究では、量子暗号に対するUniversalConstructionを構成することに初めて成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
採用期間中にCeritifed Everlasting安全なQMAに対するゼロ知識証明を構成することが当初の計画であったが、これを達成したため。 また、関数型暗号等の発展的な暗号についても、Certified Everlasting安全性を達成したため。
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Strategy for Future Research Activity |
より高機能な量子暗号について、Certified Everlasting安全性を達成することに取り組む。また、最新の量子暗号の研究で一方向性関数を仮定しない量子暗号が注目を集めている。次年度は、一方向性関数を仮定しない量子暗号の計算複雑性について取り組む。
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Causes of Carryover |
理論研究のため、出張や論文執筆のデバイス購入が経費の主な用途である。次年度使用額では、これらの目的には不足するため次年度使用額が生じた。次年度の旅費の不足分に使用する計画である。
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