2022 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓発生過程と肝機能発現における振動的圧縮刺激の寄与の解明
Project/Area Number |
22J22729
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉本 昂希 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | マイクロ流体デバイス / バイオメカニクス / ヒト多能性幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,ヒト人工肝臓に周期的力学刺激を印加するために,ヒト多能性幹細胞(hPSCs)から肝臓を構成する複数の細胞を化学的因子を用いて同時に誘導した.分化誘導後,免疫蛍光染色によって分化の確認を行った他,抗体を用いてフローサイトメトリーを用いた細胞分取後のRT-qPCRによって分化誘導の確認をした.その結果,肝実質細胞の前駆体である肝芽細胞と内皮細胞の性質を示す細胞の存在を確認することができた.これらの確認により,本研究ではhPSCsから肝芽細胞と内皮細胞を同時に分化誘導する手法の確立を達成した.また,本研究では周期的力学刺激を印加するためのマイクロ流体デバイスを作製した.生体適合性・伸展性に優れているpolydimethylsiloxane(PDMS)を構成材料として用い,申請者が開発した高解像度の3Dプリンター造形方法を用いた.作製したマイクロ流体デバイスは上から細胞培養層,PDMS membrane層,圧力印加層の3層構造になっている.細胞培養層のウェルは円形になっており,圧力印加層に圧力を印加することで,PDMS membraneが伸展し,細胞培養層で培養している細胞に周期的力学刺激を印加することができる.この圧力駆動型マイクロ流体デバイスが培養細胞への与える伸展刺激の評価については,有限要素法を用いて解析を行った.その結果,円形のPDMS膜の変形は膜の中心が等方的で端が異方的であることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイクロ流体デバイスの開発やヒト多能性幹細胞からの肝芽細胞と内皮細胞の同時的分化誘導法の確立することができた.本研究では当初,複数種の細胞を個別にヒト多能性幹細胞から分化誘導する計画であったが,多能性幹細胞から肝細胞系の細胞と内皮細胞系の細胞を同時に分化誘導することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に開発したデバイスを使用することで,hPSCsから分化誘導して作製したヒト人工肝臓に膜の中心では等方的,膜の端では異方的な周期的力学刺激を印加する.それを基に発生過程・機能発現における周期的力学刺激に寄与と,その機構を解明することを目指す.
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Research Products
(2 results)