2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22KJ2031
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
要石 就斗 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 寒冷刺激 / 接触過敏反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの実験によりマウスへの全身の寒冷暴露により、接触過敏反応の惹起相で炎症反応が減弱することを示した。本年度では主にこれらの実験データの再現性を確認した。フローサイトメトリーにて好中球、樹状細胞、T細胞などの免疫細胞の皮膚への浸潤が減少していることを確認し、耳の免疫染色にて樹状細胞の集簇(クラスター形成)を計測し、同様にクラスター形成が低温群で減少していることを確定させた。また寒冷暴露が全身性のストレス応答に関与するかを検証するために、コルチコステロイド阻害薬、アドレナリン阻害薬を用いて同様の寒冷暴露下でのCHS反応を検証した。結果としてどちらの阻害薬を用いても、寒冷暴露にて減弱するCHS反応は復帰しなかった。さらに機能変化の解明にむけて1つの細胞群に注目するにあたり、一連の反応の始まりである角化細胞を選択した。表皮でのqPCRでIL-1αの産生が低下していることから、寒冷暴露により表皮角化細胞での IL-1αを含むPAMPs/DAMPsの放出が抑制され、CHS全体の炎症が低下していると仮説立てた。表皮細胞のbulk RNA seq.では、平温でのCHS群では酸化ストレス関連のものが上位にみられ、寒冷暴露群でこれらの反応が低下していた。全身の寒冷暴露によりCHSの炎症反応が減弱していることを見つけているが、これが局所(皮膚)の温度低下によるものか、また全身性のストレス応答の結果によるものであるかの区別をつける必要がある。コルチコステロイドおよびアドレナリンの阻害薬を用いた実験を行っているが、全身性の影響を完全に除外できないため、局所の温度低下のみで得られる結果と断定できない点が課題となっている。残念ながら最終年度内に当該研究の論文を投稿することはできなかったが、以上の課題を克服できるように引き続き研究進めている。
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