2023 Fiscal Year Annual Research Report
イミニルラジカルを活用する分子間アミノ化反応の開発
Project/Area Number |
22KJ2056
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥松 大地 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | アミノ化 / 超原子価ヨウ素 / ラジカル反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、ジアリールメチレンアミノ基を有する超原子価ヨウ素反応剤を酸化剤かつイミニルラジカル源として活用する新奇アミノ化反応の開発に取り組んだ。申請書の研究計画に従い、第二級アミンやN-ヘテロサイクリックカルベン等の有機触媒を用いるアルデヒドのα位アミノ化について検討した。具体的には、プロリン誘導体やチアゾール類、イミダゾール類を触媒に用いて種々検討したところ、現段階では目的の反応を達成することはできていないが、有機触媒を活用するアミノ化の達成にむけて多くの知見を得た。 本研究計画を遂行する中で、前年度に本超原子価ヨウ素反応剤の光励起を利用するカルボン酸をアルキルラジカル源としたアルケンのアルキルアミノ化を見出しており、本年度はその反応機構を調査した。具体的には、Laser Flash Photolysis法を利用する過渡吸収スペクトル測定および理論化学計算による活性種の解明に取り組んだ。その結果、可視光照射下において本超原子価ヨウ素反応剤がオルトヨード安息香酸ラジカルとイミニルラジカルに分解することを明らかにした。また、動的消光実験によりオルトヨード安息香酸ラジカルがカルボキシラートの酸化過程に関与していることも確かめた。さらに、本反応の合成化学的な有用性を示すべく、生成物の変換反応を検討したところ、温和な加水分解条件による第一級アミン合成やヒドリド還元による第二級アミン合成を達成した。以上の成果を国内および国際学会で発表し、Chemical Science誌にて学術論文を発表した(doi:10.1039/D3SC06090J)。 本研究において得られた知見は、イミニルラジカルを利用するアミノ化反応のさらなる発展に寄与することが期待される。
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Research Products
(4 results)