2023 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧プラズマを用いたX線結晶光学素子の超精密無歪み加工
Project/Area Number |
22KJ2062
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松村 正太郎 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 大気圧プラズマ / 高圧力プラズマ / チャネルカット結晶 / X線自由電子レーザー / X線結晶光学素子 / セルフシーディング |
Outline of Annual Research Achievements |
極狭空間でのプラズマ安定生成手法として、最大圧力10気圧条件下におけるPlasma Chemical Vaporization Machining (PCVM) 加工に向け、前年度までに製作した高気圧プラズマ生成チャンバーとインピーダンス整合回路を用い、高圧プラズマのエッチング特性を調査した。FZシリコンウエハを用いた基礎検討を行い、プラズマ生成に必要な最小ギャップと雰囲気圧力の関係、ならびにPCVMの加工空間分解能に相当するプラズマ加工痕の半値幅と雰囲気圧力の関係を詳細に調査した。雰囲気圧力の向上に伴い、プラズマ生成に必要な最小ギャップはより小さい値を取ることを確認した。また、加工痕の半値幅に関しても雰囲気圧力に対して反比例の関係で小さくなり、9気圧条件下ではワイヤ径とほぼ同等にまで小さくなった。さらに9気圧条件下においてプラズマを生成させたワイヤを走査することで面加工を行ったところ、大気圧条件下では不可能であった狭い範囲での平坦領域創生に成功した。本結果は学術論文として学会誌に投稿し、査読を受け受理された。 また、極狭空間を有するX線結晶光学素子内壁面に対し高圧プラズマエッチングを適用した。放射光施設にて評価を行ったところ、反射プロファイルの明瞭な改善を確認した。本結晶をX線自由電子レーザーの高度化手法であるセルフシーディングに適用することで、今まで実現不可能であったシングルモードX線自由電子レーザーの発振達成が期待される。
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