2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of photoswitchable fluorescent molecules using fulgimide
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21J20593
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鳥井 健司 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | フルギミド / 光スイッチング / BODIPY / フォトクロミズム |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、フォトクロミック分子であるフルギミドと蛍光色素であるBODIPYを用いた光スイッチング蛍光分子の開発に取り組んだ。分子設計と合成スキームを見直すことで、目的の分子を合成することができた。物性分析の結果、光照射による蛍光強度の変化が認められるものの、十分な光応答性を得ることができなかったため、再度分子設計の改善が必要になった。 また、本年度の6月から8月の3か月に渡り、Marc Vendrell教授(Edinburgh大学、英国)のもとで海外研修を実施した。研修期間中に、フルギミドとBODIPYを用いた新たな光スイッチング蛍光分子を開発することに成功した。この分子は、タンパク質が存在する環境で蛍光強度が増大する発蛍光性を示し、光照射によりその蛍光強度を可逆的に変化することが明らかになった。また、タンパク質表面に修飾することで、分子間で起こる凝集を解消し、高い光安定性を保つことが示された。この分子は細胞イメージングにおいて、バックグラウンドシグナルの要因となる非特異的な蛍光を抑制し、ターゲットした部分だけで蛍光スイッチングが達成することが期待できた。現在、この蛍光分子の性質を利用した生細胞イメージングと蛍光スイッチングの達成を目指しているところである。尚、本研究は当該研究グループとMarc Vendrell教授の研究グループとの共同研究に発展し、この研究成果は本年度3月に開催された日本化学会主催の103回春季年会にて発表済である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
光スイッチング蛍光分子の合成が完了したものの期待する性能を得られなかったため、再度分子設計を改めたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度はMarc Vendrell教授との共同研究を継続し、開発した発蛍光性光スイッチング蛍光分子を用いた生細胞イメージングの達成を目指す。本研究で得られた成果は結果を取りまとめ次第、学会、論文等で報告する予定である。
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