2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of cell assay technique based on machine learning
Project/Area Number |
21J22170
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
李 泓翰 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
|
Keywords | 細胞力学 / 機械学習 / 画像処理 / コンピュータビジョン |
Outline of Annual Research Achievements |
Wrinkle Force Microscopy」というアプローチ(Li, H., Matsunaga, D.,... Deguchi, S., Wrinkle force microscopy: a machine learning based approach to predict cell mechanics from images. Communications Biology 5, 361, 2022.)を用い,昨年度は,顕微鏡画像のみで細胞メカニズム(収縮力)の計測が簡素化できることが確認した.この成果は,従来法と比べ作業手順が簡素であるため高いスループット性を備えた計測を実施できるメリットを備える.本年度は,このアプローチを踏まえて、細胞の収縮力を駆動するアクチンストレスファイバとそれを対応する細胞形態学上の関係を機械学習で探究した.アクチンストレスファイバは,細胞内で収縮力を発揮するために重要な役割を果たすため,細胞の機能や異常な変化を理解する上で重要な指標となる.この研究では,顕微鏡画像で獲得する細胞の形状のみでアクチンストレスファイバの幾何分布と幾何学的な特徴を明確にすることが可能になった.この研究により,細胞の収縮力を正確に測定することができるだけでなく,アクチンストレスファイバと細胞形態学上の関係を明確にすることで,細胞の機能や異常な変化に対する理解が深まることが期待される.この成果(Li, H., Liu, S., Deguchi, S., Matsunaga, M., Knowledge” installed” diffusion model predicts the geometry of actin cytoskeleton from cell morphology. bioRxiv.)は,NatureシリーズであるCommunications Biology誌に投稿され、現在査読中となっている.また招待講演(Li Honghan, 松永 大樹, 出口真次, 機械学習に基づく細胞力学の計測と解析. 第33回バイオフロンティア講演会)を受けてこれまでの成果も発表された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初,補助事業期間中の研究実施計画は以下の目標に従って設定されている. 1.牽引力顕微鏡法と融合する機械学習システム(GAN)の構築.TFMとシワの実験データに基づいてマイクロパターンの画像から細胞収縮力の応力分布データに翻訳できるGANの開発を進める. 2.細胞形状・内部構造(細胞骨格とストレスファイバ)・タンパク質の偏在と収縮力の相関解析.細胞骨格とストレスファイバは,細胞内で収縮力を発揮するために重要な役割を果たすため,細胞の機能や異常な変化を理解する上で重要な指標となる.この研究により,細胞の収縮力を正確に測定することができるだけでなく,アクチンストレスファイバと細胞形態学上の関係を明確にすることで,細胞の機能や異常な変化に対する理解が深まることが期待される. 3.実験データによってシステムを実現また検証すること.上記で開発した機械学習・画像処理システムをFPGAに搭載・顕微鏡と接続し,リアルタイムの応力分布算出を実現する.また実験で得られたデータと組み合わせ,このシステムのパフォーマンスを最適化する. 現在ではすでに目標である1と2が達成させおり,本研究課題の進捗状況は「概ね順調に進展している」と認められることが出来ると考えられる.
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究の推進方策としては,コンピュータサイエンス技術を細胞計測分野により良く応用するために,本年度はフィンランドのオウルにあるCenter for Machine Vision and Signal Analysis (CMVS)に赴き,より効率的で先進的な機械学習に基づく解決策を求め,そこで6ヶ月間の科学研究活動を行う予定する.
|
Research Products
(3 results)