2021 Fiscal Year Annual Research Report
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21J22197
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| Allocation Type | Single-year Grants |
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
後藤 倫 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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| Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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| Keywords | 力学系 / モジュライ / 乗数 / 不変式 / 周期点 / 終結式 / 組み合わせ論 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は射影直線上の力学系のモジュライに対する乗数写像の次数の上限の導出に関する検証を行い、またこれに関する結果の発表を阪大代数幾何学セミナー、城崎代数幾何学シンポジウム ショートセッションにおいて行った。
また、射影直線上の対応がなす力学系について、モジュライを構成し、その有理性を示した。さらに、対応のモジュライと通常の力学系のモジュライの間で、両者に対して自然に定義された固定点の乗数写像が、共役作用について整合的に共有されることを示した。これは修士論文における結果の一部であったが、再構成し発表した。この結果は現在査読中である。
一方で、射影直線上の力学系のモジュライに対する乗数写像の次数という同じ対象に対して、近代的な数え上げ幾何学の観点から別の方法による厳密解やよりよい上界の導出について考察を行った。この考察の内容についても阪大代数幾何学セミナーにおいて言及した。主な内容としては、安定曲線のモジュライを、その曲線の各点での導関数の値を含めたものに一般化したときに、組み合わせ論的に不変量を与えるために用いられる境界因子と呼ばれる因子がどのように変化するかについて考察した。さらに、導関数の値を含めた空間であるジェット空間上で、導関数の値を固定した周期点がなすサイクル類の導出を行った。
また、乗数写像の次数の上限を示した定理について、対応への一般化を試みた。この過程で、乗数写像を与える不変式、特に終結式に関する組み合わせ論的な考察を行った。この考察により、不変式に付随する組み合わせ論的な結果を得た。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画上の今年度の目標は、乗数写像の有限射性の対応のモジュライへ
の一般化の考察と、射影直線上の次数一般の対応についての乗数写像の次数を導出であった。
このうち、前者については達成できていない。これは任意の次数に一般化可能と考えられる特殊例による検証が悉く失敗したことと、一般化の過程で終結式に関する組み合わせ論的な問題に遭遇したことが原因である。この組み合わせ論的問題についてはより深く考察を行い部分的な解を得たが、当初の問題についての解としては不足しているのが現状である。
後者については、前者の有限性の下での、乗数写像の次数の上限を得ているため、目標は最低限達成できているといえる。
一方で、この代わりに、次年度の計画であった安定写像を用いたコンパクト化上への拡張についての考察を進めることができた。これらの進行を考え併せると、進行はやや遅れていると考えられる。
また、計画上の実行目標であった、修士論文の内容を含めた研究の進展についての城崎代数幾何学シンポジウムでのポスター発表は無事行うことができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
対応のモジュライへの一般化に関して、より多くの具体例に関する考察を行う。また、終結式に関する不変式論的な組み合わせ論について、さらに考察を深めていく。
一方で、安定写像を用いたコンパクト化や量子コホモロジーに関する理論についての現況の把握のために、関連学会への参加や文献による情報の収集が必要であることに関しては当初の計画と変わりない。また、並行して、高次元における乗数写像の振る舞いに対する予備的な考察を行い準備することも考えている。高次元における乗数写像の振る舞いに対しては、写像のグラフが一次元であるという一次元特有の条件を利用した安定写像を用いたコンパクト化を利用したアプローチよりも、今年度に行ったような古典的な不変式論を用いた組み合わせ論的なアプローチが有効であると考えているため、議論としては並行して行えることが理由である。
また、同時に議論を行える課題として、高次微分に対する考察、数論的な振る舞いに対する考察がある。これらに関しても、随時議論を進めていく。
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Research Products
(3 results)
