2023 Fiscal Year Annual Research Report
Non-perturbative methods to quantum field theory and its applications to superstring theory
Project/Area Number |
22KJ2096
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森川 億人 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 一般化対称性 / 圏的対称性 / 非摂動論的定式化 / カイラルゲージ理論 / トポロジー / 場の量子論 / 素粒子論 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで一般化対称性についてU(1)格子ゲージ理論の観点からその構成と解析を行った。当該年度の研究成果は、特にSU(N)ゲージ理論やカイラルゲージ理論への一般化したものであり、さらに以下の三つの一般化対称性の種別へ適用した。 (1)高次形式ゲージ場と結合したSU(N)格子ゲージ理論とそのトポロジーの構成。本研究では、SU(N)格子ゲージ理論においてその中心Z_N 1次対称性のゲージ化を行いZ_N 2次ゲージ場と結合した理論を与えた。ここで、Luscherの格子上のトポロジー構成法の慎重な拡張を行うことによりトポロジカル電荷が分数で分類されることが証明できる。さらにθ項に関して2π周期性が壊れる混合't Hooftアノマリーが存在することを示した。また、前年度の課題であったWitten効果に関して、二次元格子スカラー場理論に「磁気的」物体を置く手法を考案しその検証を行った。 (2)格子ゲージ理論の高次群対称性。複数の(高次形式)対称性についてそれぞれの対称性を個別にゲージ化できない対称性があり、これは高次群と呼ばれる。上記のSU(N)格子ゲージ場を用いて、インスタントン数制限法による4群構造を示した。 (3)カイラルゲージ理論の格子定式化と非可逆対称性。最後の非可逆対称性とは対称性がもはや群構造でない、特に逆元を持たないような非常に広い意味の対称性である。最近軸性U(1)アノマリーがある系で非可逆対称性が発見され、我々はU(1)カイラルゲージ理論の格子定式化を用いてこの非可逆対称性の実現を試みた。アノマリーのあるカイラルゲージ理論の格子定式化のため、LuscherのU(1)カイラルゲージ理論の非常に精密な拡張を与えることに努めた。ここで得た定式化に格子BF理論と結合させることでフュージョン則を導いた。 これらの成果が今後場の量子論・超弦理論の非摂動論的定式化の理解へ繋がると期待する。
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