2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22J00913
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
志摩 喬之 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | オートファジー / リソソーム / リソソーム損傷応答経路 / リソファジー / オートファジー受容体タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
多数の加水分解酵素を含むリソソームは、細胞内外の物質の分解を担うオルガネラである。リソソームは細胞内外の様々な因子 (シリカ、酸化ストレス、尿酸結晶など)によって損傷を受けることが報告されているが、リソソームの内容物が細胞質に放出されることは、炎症、酸化ストレスなどを惹起し、細胞に害を及ぼす。 近年、損傷したリソソームの膜修復や除去に働く「リソソーム損傷応答経路」が複数見出された。その中の一つ、損傷したリソソームをオートファジーによって選択的に隔離する「リソファジー」も、細胞の恒常性維持において重要な役割を有する。しかしながら、損傷リソソームの認識機構や、リソファジーを駆動するタンパク質やその挙動の実態といった、リソファジーの分子機構に関する知見は未だ乏しい。 これまではリソファジーの定量的測定法として、損傷リソソームマーカーGalectin3の輝点形成及びその消失を指標に、損傷リソソームのクリアランスを計測していた。しかしながら従来の評価法ではリソファジーと他の損傷応答経路を区別することができない。 本年度では、pHにより励起波長が変化する蛍光タンパク質mKeimaを用い、リソファジーを評価するためのプローブを開発した。従来のアッセイ法と比較し、本プローブがよりリソソファジーを特異的に検出できることを実験的に証明した。加えて、上記の新規プローブを用いて、リソファジーに重要なオートファジー受容体タンパク質及びリン酸化酵素、ユビキチン関連因子の同定に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、mKeimaを用いることで新規リソファジー評価系の構築に成功した。この新規評価系は従来の評価系と比べて、よりリソファジー特異的なアッセイ法である。 この新規評価系により、これまでリソファジーに機能すると考えられていた複数の因子が、実は他の損傷応答経路に重要であることを見出した。さらに、リソファジーの初期段階に機能する因子の同定に成功した。以上のことから、本研究は概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年度同定した因子について詳細な解析を行うことで、損傷リソソームの認識機構の分子基盤の解明に取り組む。また、今回開発した新規リソファジー評価系を用い、sgRNAおよびsiRNAによる網羅的スクリーニングを実施することで、リソファジーに機能する新規因子の同定を試みる。
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