• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Annual Research Report

高強度レーザ伝播に作用する屈折率変動機構解明と高強度レーザ加工への展開

Research Project

Project/Area Number 22J10847
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

西端 樹  大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2022-04-22 – 2024-03-31
Keywords超短パルスレーザ / レーザ加工 / 非線形光学
Outline of Annual Research Achievements

「高強度レーザ伝播に作用する屈折率変動機構解明と高強度レーザ加工への展開」では、大気の光カー効果や電離などの非線形光学現象を考慮したレーザ集光特性変化を可視化し、高強度レーザ加工の実現を目的とした。
高いパルスエネルギーを持つフェムト秒パルスレーザやピコ秒パルスレーザでは、集光点近傍で大気の非線形光学現象の影響を受けレーザ集光特性が変化する。加工位置制御や加工結果の予測、最適なレーザ加工条件の探索のためにはレーザ集光特性の定量的な理解が必要不可欠であった。
まずレーザ集光特性を実験的に取得するために、大気中で金属にレーザを照射し、レーザ照射領域推移とアブレーション領域推移を取得した。これらよりレーザ集光特性のエネルギー依存性、パルス幅依存性を網羅的に調査した。次に大気の非線形光学現象を考慮した超短パルスレーザ伝搬シミュレーションを構築し、実験結果との良い一致を得た。これは高強度レーザ加工における加工位置制御や加工結果の予測に貢献する。集光強度の大きな条件では光カー効果やラマンカー効果の寄与は無視することができ、集光位置に対して上流側での酸素の電離が支配的な非線形光学現象であることを確認した。各非線形光学効果のパラメータを比較することで、非線形伝搬計算をすることなく大気中で到達可能な最大レーザ強度と最大フルエンスを推定でき、それらはパルス幅と集光強度に強く依存することが示された。これらは最適なレーザ加工条件の探索に貢献する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度に計画した大気の非線形光学現象を考慮した超短パルスレーザ伝搬シミュレーションを構築できた。パルスエネルギーとパルス幅に応じた数値シミュレーションを行い、レーザ集光特性を網羅的に取得した。レーザ集光特性に影響を及ぼす大気の屈折率変動機構は主に酸素分子のレーザ電離であることを確認した。また、光カー効果やラマンカー効果の影響力は集光強度が強くなるにつれて小さくなり、レーザ加工のような比較的短い焦点距離での集光ではほとんど無視できることが示された。高次の光カー効果の寄与についても認められなかった。パルス幅と集光強度に応じて到達レーザ強度が変化し、大気中での高強度レーザ加工にはレーザ強度やレーザフルエンスの上限が存在することが示された。以上より、高強度レーザ集光において大気の電離が支配的な非線形光学現象であることが示され、当初の目的である大気の屈折率変動機構の解明は順調に進んでいる。今後は高強度レーザ加工の展開に向け、加工特性の評価を行う。

Strategy for Future Research Activity

レーザ加工において加工特性評価は重要である。高強度レーザ加工の用途として高効率な穴あけ加工や衝撃加工が考えられるため、アブレーション除去量や衝撃力の評価が望ましい。本研究ではこれまで、超短パルスレーザ伝搬シミュレーションを構築し、各レーザ条件に応じたレーザ集光特性を明らかにした。これによりアブレーションの駆動力となるレーザ照射条件を明らかにできたが、高強度レーザによるアブレーションの理解は不十分である。
そこで、最も加工効率の良い条件を探索するために、パルス幅ごとに真空中でフルエンスを制御した加工を行い、網羅的にアブレーション量を取得する。パルス幅-フルエンス領域の加工結果から大気中の制約条件を考慮して、大気中での最大の加工効率条件を見出す。真空中では金属に照射されるレーザ強度分布、レーザフルエンス分布はガウシアン分布であるが、大気中ではガウシアン分布から変化し、アブレーション分布は未知である。そこで、歪んだフルエンス分布に対するアブレーション分布を推定する方法を開発する。非線形伝搬計算により得られるフルエンス分布と、真空中で得られたフルエンスとアブレーション量の関係から大気中での高強度超短パルスレーザアブレーションの評価に取り組む。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Pulse Duration Dependence of Dry Laser Peening Effects in the Femtosecond-to-Picosecond Regime2022

    • Author(s)
      I. Nishibata, M. Yoshida, Y. Ito, N. Sugita, A. Hirose, and T. Sano
    • Organizer
      16th International Conference on Laser Ablation (COLA2021/2022)
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi