2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of ultracompact microcavity far UV-C second harmonic generation device using low birefringence paraelectric materials
Project/Area Number |
22J10864
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南部 誠明 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | SHG / SBO / GaN / AlN / レーザ / VCSEL |
Outline of Annual Research Achievements |
・波長230 nm近傍の深紫外(DUV)光は,皮膚最表面の角質層で吸収されるため殺菌・消毒を目的として人体への直接照射が可能である。DUV光源の有力な候補として,第二高調波発生(SHG)デバイスが挙げられるが,小型,高効率な波長変換デバイスを実現可能なSHG結晶と位相整合方式の組み合わせがない。そこで我々は,これまで必須であると考えられてきた結晶の強誘電性や複屈折性に頼らない微小共振器型位相整合方式を提案し,低複屈折性常誘電体結晶であるGaNを用いた青色SHGを実証した。この方式は,光損傷耐性の高い任意の非線形光学結晶に適用できるため,デバイス材料の選択肢を大幅に拡大した。本研究では、吸収端波長が130 nmと極めて短く,高い光学非線形性と光損傷耐性を有しながらも,強誘電性や複屈折性を呈しないためSHG結晶として注目されてこなかったSrB4O7(SBO)を用いた微小共振器による波長234 nmの SHGを実証した。本成果は、①人体に無害な殺菌消毒用光源、②産業的に極めて重要な真空紫外(VUV)光源、③垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL)と集積した励起光源一体型のDUVおよびVUV光源実現への大きな一歩である。 ・窒化物半導体であるGaNを用いて上記と同様のSHGデバイスを作製し、SHG実証実験を行った。ここでは、励起レーザのパルス幅に対してデバイス構造を最適化することで、これまで実施できていなかった詳細なSHG特性評価を行った。実測した波長変換効率は理論値と極めて高い精度で一致した。 ・SBOを用いた真空紫外光発生用SHGデバイスを新たに提案し、作製に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
SrB4O7(SBO)結晶を用いた深紫外(DUV)第二高調波発生(SHG)デバイスの設計、作製、光学特性評価を既に完了している。基本波にピコ秒パルスレーザを用いて、波長234 nmのDUV SH波の発生を観測した。また、波長変換効率の基本波波長依存性から、共鳴増強による波長変換効率の増大を確認した。本デバイスから発生したDUV光の波長(234 nm)は、人体に無害な殺菌消毒用光源として期待されている波長域に属する。次に、デバイス構造を基本波のパルス幅に対して最適化する手法を考案し、SBOと同様の低複屈折性常誘電体結晶であるGaNを用いたSHGデバイスの設計を行った。レーザリフトオフ等の技術を駆使してデバイス構造を完成させた。作製したデバイスに基本波として赤色フェムト秒レーザを入射することで、青色領域でのSHGに成功した。ここで、SH波のビーム形状が複屈折位相整合によるものに比べて極めて良好であることを確認した。これは、本デバイスが、低複屈折性材料を用いた微小領域からのSHGであることに由来する。また、波長変換効率を実測したところ、理論値と極めて高い精度で一致した。この成果は、パルスレーザ用の波長変換デバイスの実現および基本波に連続波(CW)レーザを用いることで高効率な波長変換が期待できることを示している。現在はCWレーザ励起用のSHGデバイスの作製に取り組んでいる。また、真空紫外(VUV)領域でのSHGデバイスの作製にも完了している。これらの研究成果から、本研究は当初の計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、SrB4O7(SBO)を用いた連続波(CW)レーザ励起用のSHGデバイスの作製を行う。ここでは、主に結晶の研磨の精度が問題となる。研磨用の治具を改善することで面内均一性を高めることに成功している。さらなる精度向上のため、ダイヤモンドスラリーによる研磨の後に、コンポールを用いた研磨を実施する予定である。デバイスが完成し次第、CWレーザを用いたSHG実証実験を行う。既に、励起用の光源および自動測定機能を備えた光学系は準備済みであり、デバイスが完成し次第、速やかに光学実験へと進むことができる。加えて、真空紫外(VUV)用のSHGデバイスの作製にも成功しており、こちらのSHG特性の評価を実施予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] DUV coherent light emission from ultracompact microcavity wavelength conversion device2022
Author(s)
Tomoaki Nambu, Taketo Yano, Soshi Umeda, Naoki Yokoyama, Hiroto Honda, Yasunori Tanaka, Yutaka Maegaki, Yusuke Mori, Masashi Yoshimura, Shuhei Kobayashi, Shuhei Ichikawa, Yasufumi Fujiwara, Ryota Ishii, Yoichi Kawakami, Masahiro Uemukai, Tomoyuki Tanikawa, and Ryuji Katayama
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Journal Title
Optics Express
Volume: Vol. 30, Issue 11
Pages: 18628-18637
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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