2023 Fiscal Year Annual Research Report
低複屈折性常誘電体結晶を用いた微小共振器型遠UV-C第二高調波発生デバイスの開発
Project/Area Number |
22KJ2129
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南部 誠明 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 第二高調波発生 / SHG / 微小共振器 / DUV / VUV |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、深紫外(DUV)および真空紫外(VUV)領域での実用的な微小共振器型第二高調波発生(SHG)デバイスの実現に向けた大きな一歩として、a面GaNを用いた垂直微小共振器型SHGデバイスによる定量的な青色SHG特性の評価およびSrB4O7(SBO)垂直微小共振器型SHGデバイスによる波長199 nmのVUV SHG実証を行った。これまでの研究で設計および作製したSHGデバイスは連続波(CW)レーザによる励起を前提として設計、作製されているが、実際のSHG実証実験では基本波共振波長を速やかに見つけるために、励起光源にパルスレーザを使用した。CW励起を前提としたデバイスは基本波の波長許容幅が狭く、広いスペクトル幅を有するパルスレーザでは効率良くデバイスを励起できない。また、基本波がデバイス内部で高強度な定常状態になる前に、基本波のパルス照射が終わってしまう。そこで、私はパルスレーザ励起下でのデバイス構造の最適化手法を新規に提案し、デバイスの波長変換効率の実測を含めた定量的な光学特性の評価に成功した。GaNを用いた青色SHGに関して、実測した規格化波長変換効率は0.15%/Wであり、理論効率である0.20%/Wと高い精度で一致した。また、発生したSH波はガウシアンビームに近いビーム形状をしており、本デバイスから発生するSH波のビーム品質が他の複屈折位相整合方式の波長変換結晶から生じるSH波と比較して優れることを確認した。SBOを用いたVUV SHGに関して、実測した規格化波長変換効率は2.6%/Wであり、本デバイスの社会実装に向けた大きな成果を得た。本研究課題全体を通して開発した可視領域、DUVおよびVUV領域で使用可能な微小共振器型SHGデバイスは、SHGと和周波発生(SFG)を組み合わせて構成される複雑なシステム構成の既存の全固体VUV光源を置き換える可能性を有している。
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