2023 Fiscal Year Annual Research Report
骨の新陳代謝を担う新規の骨細胞サブセットの同定とその機能解析
Project/Area Number |
22KJ2172
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鎗 伸弥 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 骨代謝 / 骨リモデリング / 破骨細胞 / 骨細胞 / 生体骨イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
骨は、古い骨を溶かす破骨細胞と新しい骨を作る骨芽細胞が協調することで、再構築される (骨リモデリング)。骨リモデリングは破骨細胞が古い骨を溶かすことで始まるが、何をきっかけでいつ始まるのかに関しては不明のままである。本研究では、二光子励起顕微鏡による生体骨イメージングとsingle cell RNA sequence解析を組み合わせるという独自の方法論で骨細胞の遺伝子解析を行う新たな手法を確立し、骨細胞の機能的多様性を明らかにする。さらに破骨細胞の動態を時空間的に制御する骨細胞サブセットを同定し、その骨細胞サブセットがどのように破骨細胞の局在や骨吸収の開始を制御しているのか明らかにする。 骨細胞は骨に埋没しており、加えて特異的な細胞表面マーカーが不明なため、骨組織から骨細胞を単離することが難しい。そこでまず、骨細胞を純度高く採取する新たな実験系の確立に取り組んだ。コラゲナーゼ溶液や脱灰溶液の検討、また処理を行う骨片の大きさなどの検討を行った。さらに骨基質を溶解して得られたサンプルからFlow cytometryを用いて造血系細胞を除くことで骨細胞の純度が高いサンプルを作製することに成功した。次に破骨細胞近傍の骨細胞を採取する実験技術の構築を行った。まず破骨細胞を赤色に標識したTRAP-tdToamtoマウスと光照射することで細胞を人為的に緑色に標識できるPhotoactivatable-GFPマウスを掛け合わせたダブルトランスジェニックマウスの作製に成功した。二光子励起顕微鏡を用いた生体骨イメージング技術により、作製したマウスの頭頂骨に存在する破骨細胞を撮影し、画像解析技術を駆使して破骨細胞近傍の領域に光照射することで、破骨細胞近傍の骨細胞を機械的に緑色に標識できる技術を確立した。また光刺激により標識した細胞を、上記で確立した骨細胞の採取方法により単離することにも成功した。
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Research Products
(4 results)