2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22KJ2194
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 拓 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | 逆磁歪材料 / 逆磁歪効果 / 振動発電 / エナジーハーベスティング / 環境発電 / 磁気機能性材料 / 磁歪 |
Outline of Annual Research Achievements |
逆磁歪効果を利用した振動発電は、IoTデバイスの次世代電力源として期待されている。さらに、本方式の振動発電デバイスはサイズを大きくすると、発電出力が飛躍的に増加する特徴がある。しかし、現在主流の材料であるFe-Ga合金単結晶は大型化に限界がある。そこで、大型製造技術が確立されている方向性電磁鋼板(Fe-Si基合金)に着目した。方向性電磁鋼板は圧延後の熱処理により結晶方向を配向させており、高い磁化率といった単結晶に近い優れた磁気特性を有する。本研究は、方向性電磁鋼板から着想を得て、高効率かつ大型化に対応可能な逆磁歪材料の開発を目指す。 2023年度は、これまで得られた成果からアモルファス材料に着目した。逆磁歪材料には磁歪定数が大きいことが求められる。また、磁化率が高いことが望ましい。そこで、まず、Fe-Si合金よりも磁歪定数および磁化率が高いFe-Si-Bアモルファス材料の振動発電試験を行った。その結果、Fe-Si-Bアモルファス材料では低磁場で駆動するデバイスの構築が可能であり、低コスト化や漏洩磁場の低減が期待できることを示した。さらに、Fe-Si-Bアモルファス材料にCoを添加することで磁歪定数の向上を試みた。作製した試料の磁歪特性を測定するとCo組成が5 at.%で磁歪定数は極大値を示した。また、振動発電試験により得た磁束密度変化も同組成で極大値を示した。この結果から、Fe-Co-Si-Bアモルファス材料は新たな逆磁歪材料として有望である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
高効率かつ大型化に対応可能な逆磁歪材料の開発が本研究目的であり、作製したFe-Co-Si-Bアモルファス合金が目的達成のために有望であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、高効率かつ大型化に対応可能な逆磁歪材料として有望なFe-Co-Si-Bアモルファス材料を、2022年度に構築した逆磁歪効果の評価システムにより、多角的な評価を行う予定である。得られた研究成果は国際会議International Conference on Magnetism 2024で発表予定である。
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Causes of Carryover |
次年度に、逆磁歪効果を利用したデバイスの開発・測定装置の構築・国際会議・海外大学との打ち合わせを行うために、当該年度の予算の一部を次年度に回した。
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