2022 Fiscal Year Annual Research Report
オルガノイドを用いた胸腺腫瘍の病態解明と新規治療薬の同定
Project/Area Number |
22J20799
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高島 剛志 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | オルガノイド / 胸腺上皮性腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は胸腺腫瘍の病態解明・新規治療薬・治療標的の探索を行うことである。胸腺腫瘍は希少疾患であり、その病態について十分な研究が行われていない。当院には多くの症例が集積されており、それらのヒト検体にアプローチできることが強みである。商用されている細胞株が非常に少ない胸腺腫瘍では、ヒト検体(腫瘍)よりオルガノイドを樹立して解析することは研究手段として非常に重要である。そこで当該年度は長期継代可能な胸腺上皮性腫瘍オルガノイドの培養プロトコルの標準化とデータの収集を行った。他の臓器ではあるが、患者腫瘍由来オルガノイド培養の先行研究を参考にしながら増殖因子や化合物の添加(主にはEGF, FGF, IGF, R-spodin, Wnt3a, Nogginなどのリコンビナント蛋白)を行い、効率よく長期間継代可能な条件の探索を行った。しかし、胸腺腫瘍に対するオルガノイド培養が現時点で成功している報告はないという現状どおり、初代培養では顕微鏡下で一部の細胞が細胞塊を形成していることを確認しているものの、現状のプロトコルでは継代操作などにより安定した培養が確立できておらず、さらなる条件検討が必要である。条件検討を繰り返す中、別のアプローチとして胸腺腫瘍FFPEサンプルの原発巣(n = 3)と多臓器への転移および転移再発(n = 3)RNA-seqを行い、胸腺腫瘍の病態解明・治療標的探索のための研究を並行して行い、解析を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度には長期継代可能な胸腺上皮性腫瘍オルガノイド培養プロトコルの確立を目指していたが、機能解析に有用な胸腺オルガノイド培養を確立する事は出来なかった。培養メディウムを含めたさらなる条件検討が必要である。 胸腺腫瘍の病態解明・治療標的探索の別アプローチとして胸腺腫瘍FFPEサンプルの原発巣(n = 3)と多臓器への転移および転移再発(n = 3)例に対してRNA-seqを行い、解析を進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、胸腺腫瘍の病態解明・治療標的探索のための研究を行う。胸腺上皮性腫瘍オルガノイド培養に関しても成長因子などの追加を行い、プロトコルの確立を試みる。 また同時並行して進めている胸腺腫瘍FFPEサンプルのRNA-seq解析を進めているところである。多臓器への転移および転移再発症例で高発現するRNAを同定できれば、症例数を増やし、免疫染色やISHなどによる検証を行いたいと考えている。
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Research Products
(4 results)