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2022 Fiscal Year Annual Research Report

皮膚発生過程における外胚葉性間葉系細胞の役割解明

Research Project

Project/Area Number 22J22043
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

三浦 朝香  大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2022-04-22 – 2025-03-31
Keywords皮膚発生 / 間葉系幹細胞 / 表皮幹細胞
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、表皮幹細胞の発生機序における外胚葉性間葉系幹細胞の役割解明を進めている。これまで当該研究室では、遺伝性水疱性皮膚難病である表皮水疱症の剥離表皮再生機序に外胚葉性間葉系幹細胞が寄与することを見出してきた(Tamai et al., 2012, PNAS)。しかし外胚葉性間葉系幹細胞の正常表皮の発生機序への関与は未だ不明な点が多いのが現状だった。
外胚葉性間葉系幹細胞は、発生のごく初期の頭部顔面領域より生じることが報告されている(Weston JA et al., 2003, Developmental Dynamics)。そこで本研究では、外胚葉性間葉系細胞由来の表皮(以下、外胚葉性間葉系表皮)発生の役割解明を目的とし、これまで外胚葉性間葉系細胞マーカーProtein zero (P0)陽性細胞の系譜追跡 マウス(P0-Cre: ROSA tdTomato:PDGFRa-H2BGFPKI)や、間葉系細胞特異マーカーPDGFRα陽性細胞の系譜追跡マウス(PDGFRa- Cre:ROSA tdTomato:PDGFRa-H2BGFPKI)を用いた外胚葉性間葉系譜細胞の追跡及びその生理特徴解析を実施した。蛍光免疫染色及びフローサイトメトリー解析による外胚葉性間葉系表皮の追跡や、単一細胞RNA/ATACシークエンス解析により、生理環境下における外胚葉性間葉系表皮の特徴が明らかになってきた。
本研究では、外胚葉性間葉系表皮の発生過程機序を分子・細胞レベルで明らかにすることで、根本的な治療法がない表皮水疱症における剥離表皮再生に、なぜ外胚葉性間葉系幹細胞が寄与しうるのかという臨床的問いに対する答えを見出す。最終的に本研究成果を基盤の一部として、表皮水疱症治療法開発に向けた社会実装に貢献することを目標とする。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

マウス胚における外胚葉性間葉系幹細胞の発生過程を見るべく、(P0-Cre: ROSA tdTomato:PDGFRa-H2BGFPKI)を用いて解析し、発生初期頭部の神経褶から上皮間葉転換により発生する外胚葉性間葉系幹細胞を捉えた。これより、先行研究の外胚葉性間葉系幹細胞が我々の所有する系譜マウス(P0-Cre: ROSA tdTomato:PDGFRa-H2BGFPKI、PDGFRa- Cre:ROSA tdTomato:PDGFRa-H2BGFPKI)で追跡可能なことが判明した。
蛍光免疫染色より、毛包プラコード及び毛包形成が開始する胎生14.5日頃から観察される外胚葉性間葉系表皮細胞は、頭部背側部を中心に発生に伴い増加することが明らかになった。続いて各成長段階の皮膚組織を用いたフローサイトメトリー定量解析により、新生仔マウス頭部表皮幹細胞集団中に外胚葉性間葉系表皮細胞は非間葉系表皮細胞と略同程度存在するが、加齢に伴い外胚葉性間葉系表皮細胞の割合は増加し、成獣の頭部背側部の表皮では8割を超えること、成長と共に外胚葉性間葉系表皮細胞が頭部から尾部、背部から腹部方向へと分布が拡大していくことが明らかになった。
2022年度当初の目標であった、共焦点レーザー顕微鏡を用いた皮膚切片観察及び胎仔ホールマウント手技確立、そして、フローサイトメトリー定量解析ができたため、おおむね順調に進展していると考える。

Strategy for Future Research Activity

外胚葉性間葉系表皮細胞のさらに詳細な特徴を見るべく、PDGFRa- Cre:ROSA tdTomato:PDGFRa-H2BGFPKI新生仔頭部表皮/真皮組織を用いた単一細胞RNA/ATACシークエンス解析を行った。DEG解析より外胚葉性間葉系表皮細胞が大半を占めるクラスターの候補マーカー遺伝子Thy1を得た。近年Thy1をマウス表皮中のスローサイクリング幹細胞集団マーカーとして報告が出たことから(Elle Koren et al., 2022, Nature communications)、マウス表皮の生涯に渡る恒常性維持に、外胚葉性間葉系細胞が関与することが示唆された。Thy1を指標の一つに、外胚葉性間葉系表皮の幹細胞の生理機能解析を進めている。外胚葉性間葉系表皮と非外胚葉性間葉系表皮(従来知られる原始外胚葉由来表皮細胞)の両者の生理的特徴比較を通じて、外胚葉性間葉系表皮がなぜ加齢に伴い表皮の大部分を占めるのかを明らかにしていく。
加えて単一細胞ATACシークエンス解析より、外胚葉性間葉系表皮細胞が大部分を占有する特徴的なクラスターをUMAP上に見出し、現在、モチーフ解析及びGO解析を進めている。これらを通じて、トランスクリプトーム及びエピゲノムレベルでの外胚葉性間葉系表皮細胞を詳細に見ていく。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 間葉系細胞による表皮幹細胞発生/再生メカニズムの解明2023

    • Author(s)
      三浦朝香
    • Organizer
      第11回細胞再生医療研究会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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