2023 Fiscal Year Annual Research Report
縄文海進時に対馬海流が北海道東部に到達?~海と陸の古環境指標からのアプローチ~
Project/Area Number |
22KJ2267
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
酒井 恵祐 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 花粉分析 / 完新世 / 縄文海進 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,現在より温暖だったと推定される縄文海進の年代を含む汽水湖の堆積物で連続的な古環境復元を行い,先行研究(貝化石分析)で分かっている“縄文海進時に対馬海流が北海道東部に到達していた”ことについて微化石研究で検出することを目的としている. 2022年度は,有孔虫試料については数点の分析を行い,有孔虫化石の有無を確認し,小さい個体ではあるが,堆積物中に残されていることを確認した.また,小さな個体を中心に電子顕微鏡を使用し,有孔虫の写真撮影を行った.さらに,花粉分析については,縄文海進時の年代を含む試料を分析し,陸域の古環境を復元することができた.当該年度は,道東地域において地域間比較のための追加試料となる約6メートルの堆積物コアを採取できた. 2023年度は,北海道釧路市の春採湖の湖底堆積物について花粉分析を行い,現在から約9,500年前にかけての植生変遷を明らかにした.その結果について北海道道東地域の先行研究の結果と比較した.その結果,釧路市(春採湖)では,前期完新世にコナラ属コナラ亜属の増加が見られ,春採湖周辺にレフュジアが存在した可能性を示唆した.また,中期完新世のクルミ属が増加しており,温暖化による降雨・降雪の増加に伴う河川の氾濫原に先駆的に優占したことを示唆した.この結果は,今後周辺地域で分析を行うことでより詳細な解明に繋がるものであると考えられる.論文成果として,同内容について国内雑誌に投稿し,掲載された.また,数件の学会発表等も行うことができた.
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[Presentation] 釧路市春採湖から採取された年縞堆積物コアの解析計画:1次的な研究成果と今後の展望2023
Author(s)
七山 太, 香月 興太, 松野 佑香, 中西 利典, 福與 直人, 酒井 恵祐, 深津 恵太, 石井 正之, 重野 聖之, 大串 健一, 古川 竜太, 小田 啓邦
Organizer
日本地球惑星科学連合2023年大会