2021 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺: 粘液腺と漿液腺の分化スイッチをつかさどる遺伝子群の同定
Project/Area Number |
21J40187
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
皆木 瞳 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 特別研究員(RPD)
|
Project Period (FY) |
2022-01-04 – 2025-03-31
|
Keywords | 唾液腺 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の再生医療の躍進は目覚ましいものがあるが、腺機能を回復させる根本的な治療法はなく、唾液腺組織そのものを修復する再生医療の確立が期待されている。 再生医療を実現するためには発生生物学の研究とともに再生生物学を発展させることが重要であり、唾液腺の発生過程への知見を深めることが求められている。 申請者は歯科医師として唾液分泌機能障害に対して治療法がない現状を目の当たりにし、唾液腺組織そのものを修復する新たな治療法を確立する必要があると考えた。そのため、研究活動を開始してから一貫して外分泌腺の分泌障害に対する再生研究に取り組んできた。唾液腺再生を目指して発生過程の分子メカニズムを明らかにすることを研究の目的とする。 研究方法としては、まずは外胚葉由来細胞系譜をSox1遺伝子が発生時の外胚葉組織全体で発現することを利用してSox1-Cre/Rosaマウスを用いた外胚葉由来細胞のcell lineage解析を行う。 本年度はSox1だけではなくSox17、Brachuryの3色を発現するTrickマウスを慶応大学から譲渡を受けて、解析を開始した。現在解析中であるが、唾液腺はもちろん涙腺などのその他の組織も解析を行っている。このマウスを詳細に解析することによって、発生段階の唾液腺の分化メカニズムを解析することができると考えている。 本研究は唾液腺の初期発生過程を解析し、分化関連遺伝子を見出し組織誘導、解析するという新しい試みであり、詳細な発現メカニズム解明に成功することができれば口腔乾燥症の治療法を樹立する研究基盤を確立することとなり、非常に特色のある研究になると考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
唾液腺は分泌される唾液や組織学的な違いから粘液腺と漿液腺に分類される。胎生期マウスが粘液腺と漿液腺に分化するタイミングに必須となる遺伝子を網羅的に解析した。それぞれの発現する組織特異的な転写因子を見出し、それらの転写因子が唾液腺の形態形成にどのように関わっているかを明らかにした。
|
Strategy for Future Research Activity |
scRNA-seqを用いた遺伝子発現プロファイリングを行う。顎下腺と舌下腺がそれぞれ分化を開始するタイミングであるE12.5の胎仔唾液腺組織に対してレーザーマイクロダイセクションを用いてそれぞれの部位をサンプリングしてscRNA-seqで網羅的にRNA発現解析を行う。遺伝子発現が高いあるいは低い転写因子遺伝子を見出す。
|
Research Products
(6 results)