2023 Fiscal Year Research-status Report
オペランドXASと理論計算を活かした活性状態制御によるマンガン電極触媒の高効率化
Project/Area Number |
22KJ2347
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
恒川 舜 山口大学, 大学院創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | 水分解触媒 / マンガン酸化物 / X線吸収分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
太陽光等の再生可能エネルギーを利用して水素という化学エネルギーキャリアへの変換・活用を目指す水素社会の実現にあたって、二酸化炭素の排出を伴わない水の電気分解による水素製造技術の推進が求められている。水の電気分解過程において、酸素生成反応は水素生成反応に比べてより高い過電圧を必要とするため、酸素生成触媒の研究及び開発が進められている。特に、高価な貴金属ベースの触媒は水分解活性に優れているが、経済性の観点から制限が存在する。このため、代替として非貴金属ベースの比較的安価な触媒の開発が急務とされている。オペランドXAS(X線吸収分光法)測定は、触媒反応中の触媒の電子状態および局所構造を詳細に解析できる手法であるため、水分解反応のメカニズムを解明するのに有効である。本研究の目的は、マンガン酸化物水分解触媒のXAS分析と理論計算を駆使し、適切な触媒調整条件を特定することで、水分解活性の向上を目指すことである。 本年度は、KEK-PFやSPring-8といった放射光施設にて、蛍光検出器関連部品と測定チャンバー等の測定環境の調整・改良をし、XAS分析を行った。マンガン以外の遷移金属酸化物に対しても触媒表面や内部における局所構造情報を取得した。当初の研究計画通り、昨年度に導入したワークステーションの立ち上げが完了し、取得した実験データから、構造モデルを作成し、計算条件を吟味しながら理論計算を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、理論計算に使用するマンガン酸化物触媒や遷移金属酸化物のXAS測定データから構造モデルを作成できており、実験と計算データの比較検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、取得した実験データを元に、詳細な解析・理論計算を行い、触媒の活性状態を求めていく予定である。また、引き続きオペランドXAS測定の光学関連の調整や改良等を行い、より質の高い測定データを取得していく。
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