2023 Fiscal Year Annual Research Report
実機高温プラズマ装置における粒子リサイクリングに対するヘリウムの影響に関する研究
Project/Area Number |
22KJ2395
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岳 其霖 九州大学, 総合理工学府, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 水素リサイクリング / FESTA / 表面再結合係数 / プラズマ長時間放電 |
Outline of Annual Research Achievements |
一年目では、九州大学の球状トカマク実験装置QUESTにおいて高速試料搬送装置(FESTA)を用い、室温でステンレス316L試料の長時間プラズマ曝露実験を3放電連続で実施した。試料からの水素リサイクリングを直接計測し、試料表面の放出束が増加していることが確認できた。この結果は、水素リサイクリングが放電履歴に依存することを明確に示している。 翌年目では、FESTAを用いて室温でタングステン試料を長時間水素プラズマに曝露して実験を3回連続に実施した。各放電の間隔は粒子放出に十分な70分とした。試料表面の水素放出束が増加していることが観測された。粒子放出挙動を解明し、プラズマ放電中タングステン表面状態を表す表面再結合係数を評価するために、捕獲・脱捕獲を組み込んだ水素拡散・表面再結合モデル―二層モデルを構築した。モデル計算で表面再結合係数を評価し、プラズマ曝露でタングステン内に捕捉された水素原子の増加につれて、溶解水素の数が増加になることが判った。その結果、タングステン試料における水素リサイクリングが活発になり、実験結果と一致することになる。 プラズマ対向壁の表面状態とリサイクリングに対する水素とヘリウム(He)の複合効果を調べるために、再堆積層付きのステンレス316L試料及びヘリウム(He)照射したタングステン試料はそれぞれ曝露実験を行った。その解析は三年目で行った。Heの存在で放電中の水素リサイクリングが増加になることが判り、Heリサイクリングが連続水素プラズマの曝露により減少することが観測された。一方、母材であるSUS316L表面に再堆積層がバリアとして水素の侵入また拡散を妨げるため、モデル計算では提唱された水素バリアモデルを使用した。計算で試料表面状況を評価するに重要な表面再結合係数を評価し、水素放出はプラズマ放電後再堆積層内の溶解捕捉水素が支配することが明白になった。
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