2022 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界流体技術を基盤とした宿主受容体-脂質リガンドの網羅的探索法の開発
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22J11145
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
富安 範行 九州大学, システム生命科学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | リピドミクス / 超臨界流体クロマトグラフィー / タンデム質量分析 / 脂質リガンド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,宿主受容体とその脂質リガンドを微量サンプルから迅速かつ網羅的に特定できる,超臨界流体クロマトグラフィー (SFC) と質量分析 (MS) を基盤とした解析プラットフォームを開発することを目的とする. 本年度は (1) SFCを用いた脂質クラスごとに分離可能な分析系構築,(2) 構造解析のための脂質MS/MSデータベースの構築,(3) SFC-フラクションコレクター (FRC)/MSシステムの構築の3点を主に行った. (1) SFCによる脂質クラスごとに分離可能な分析系構築:カラムスクリーニングを実施し,幅広い極性を分離可能なカラムを評価した.さらに分析条件を最適化することでリゾホスファチジン酸やスフィンゴシン-1-リン酸などの極性の高いリン脂質やスフィンゴ脂質のテーリングを抑制でき,標準品90種類の脂質クラスを分離可能な分析系を構築した. (2) 構造解析のための脂質MS/MSデータベースの構築:高分解能タンデム質量分析により取得した各脂質クラス標準品のMS/MSスペクトルを解析し,各脂質クラスに特有の開裂パターンを選択してデータベースを構築した.加えて,部分構造情報も格納しており,未知脂質分子を対象にもおよその構造解析を可能とした. (3) SFC-FRC/MSシステムの構築:通常のSFC/MSシステムにFRCを接続し,MSでの分析と分取を同時に実施可能なSFC-FRC/MSシステムに最適化した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
網羅的な脂質クラス分離分析系の構築では,適性な分析用カラムを見つけ,最適な分析条件を構築することができた.また,SFC-FRC/MSシステムの構築では,同時分取分析を達成するための最適化に時間を要すると考えられたが問題なくシステムを構築でき,順調に実験を進行することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,レポーター細胞の構築を行い,本年度構築したSFC-FRC/MSシステムにより取得した分取サンプルに対して細胞アッセイを実施する予定である.また,活性画分に相当する分析時間におけるMS/MSスペクトルに対して,構築した脂質MS/MSデータベースを使用して構造解析することで,脂質リガンドの探索を試みる.
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