2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22J11428
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
MIN HYUKGI 九州大学, 工学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | ドナー・アクセプター系 / 有機発光ダイオード / 八極システム / スピン軌道結合 / 熱活性化遅延蛍光 |
Outline of Annual Research Achievements |
有機LEDの外部量子効率が高電流密度(高輝度)において著しく低下するロールオフ現象の改善が重大な課題である。このようなロールオフ現象の改善に向け、1 μs以下の超短寿命の遅延蛍光の実現を目指してTADF材料の開発を進め、世界最短寿命遅延蛍光を示す青色TADF材料の開発に成功した。先行研究は、一つのアクセプターに二つのドナーが両端に導入されたD2-A型TADF分子が、二つの縮退した異なる分子内電荷移動励起状態(CTaとCTb)を有し、逆項間交差において大きな軌道角運動量の変化を伴うことに注目して、超短寿命遅延蛍光の実現に向けた革新的な分子設計を提示していた。 本研究では、さらに短い遅延蛍光寿命を指向し、D3-A型青色TADF分子を設計・開発した。 中心アクセプターとの二面角が約90°に固定化できる1,8-ジメチルカルバゾールをドナーとして用いることで、小さなΔEST(<50 meV)を達成した。また、量子化学計算によると、三つの独立したドナーと中心アクセプターで達成される三つのCT励起状態(CTa, CTb, CTc)は、エネルギー的に近く縮退し、それらの間では大きなSOCが算出された。これにより、一重項と三重項状態の高速スピン変換が可能となり、数百nsに迫る超短寿命遅延蛍光を示すことが明らかになった。これらの材料を有機LEDの発光体として用いることで、励起子が蓄積せず速やかに発光させることが可能になり、高輝度時においてもEL量子効率が本質的に低下しない画期的な青色有機LEDの開発に繋がった。 以上のように、本研究では多重極分子特性を活用した新しい有機発光材料の設計指針を開拓することができた。当該分野における従来の課題を克服できるだけでなく、本研究から派生してさらに多様な高性能有機LED用の発光材料の開発に繋がると期待できる。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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