2022 Fiscal Year Annual Research Report
生物活性発現機構の解明を目指したマイトトキシンの北半球部分の合成研究
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22J11567
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梅野 圭太郎 九州大学, 理学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | マイトトキシン / 梯子状ポリエーテル / 天然物 / 化学合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は,MTXのW-F'環部の量的供給を目指し,合成中間体であるW-環部とC'-F'環部の大量合成を行った。初めにW-Z環部とC'-F'環部の原料となるテトラヒドロピラン誘導体の大量合成を行った。マイクロフローを用いることで,大量合成の際に問題となっていたメチル化およびDIBALH還元を一挙に行うことができ,目的の誘導体の大量合成法を確立した。C'-F'環部の合成は当研究室にて既に合成経路を確立しているため,その手法を用いて合成を行った。すなわち,E'環部からヨウ化サマリウムを用いる還元的な環化反応によるC'D'環部の構築,側鎖部分との鈴木-宮浦カップリングによる連結,Pd触媒を用いる環化反応によるF'環部の構築を経てC'-F'環部の合成を完了した。一方,W-Z環部は,当研究室にて既に合成法を報告していたが,再現性の面で問題を残していた。そこで,種々検討の結果,グラムスケールでのW-Z環部の合成法の確立に成功した。合成したW-Z環部とC'-F'環部をアセタール化により連結し,数段間の変換を経て鍵中間体であるαシアノエーテルを十分量合成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度はQ-F'環部の合成中間体であるαシアノエーテルを十分量合成することができたため,おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,2022年度に合成したαシアノエーテルからQ-F'環部の合成を行う。W-F'環部の合成においては,A'環部の構築において収率が低いという問題点を抱えている。そこで,合成経路の見直しを行い,W-F'環部の合成法の改良を行う。合成したW-F'環部とQ-U環部を連結し,V環部を構築することで,目的のQ-F'環部を合成する。また,合成した部分構造について,生物活性評価を行う。
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Research Products
(5 results)