2023 Fiscal Year Annual Research Report
生物活性発現機構の解明を目指したマイトトキシンの北半球部分の合成研究
Project/Area Number |
22KJ2431
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梅野 圭太郎 九州大学, 理学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | マイトトキシン / 梯子状ポリエーテル / 化学合成 / 天然物化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,MTXのW-F'環部の量的供給を目指し,合成条件等の再検討を行った。合成中間体であるW-Z環部とC'-F'環部のアセタール化による連結および位置選択的な開環反応において,反応のスケールを大きくすると収率が低下する問題があった。反応条件を精査することで適切な反応時間を見出すことに成功し収率の改善を行うことができた。また、西沢-Grieco法による第一級ヒドロキシ基のオレフィンへの変換においても大量スケールにおいても再現性の高い反応条件を見出すことができた。一方,ニトリルの還元によるアルデヒドへの変換反応は,種々条件を検討したが収率の改善には至らなかった。合成終盤のA'環部の構築においては,構築の難しいA'環部を先に構築する合成経路を新たに設計し合成研究を行った。合成中間体であるW-F'環部ニトリルに対しPt触媒を用いる水和反応を行うことでメチルエステルへと変換した後、分子内でラクトン化を行うことでA'環部ラクトンを構築した。ラクトンに対しGrignard反応,還元的エーテル化および閉環メタセシス反応を行うことでB'環部を構築したが,還元的エーテル化によって生じた生成物が望まない立体化学を有しており,改良合成経路では目的物を合成することは難しいことが判明した。そこで,既存の合成経路において,これまでヒドロキシ基無保護で行ていたラジカル還元を保護した基質で反応を行うように変更したところ,収率を改善することができた。これら,反応条件の最適化を行ったことでW-F'環部の合成中間体を十分量合成することができた。
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