2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22J11823
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西村 大輝 九州大学, 総合理工学府, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
|
Keywords | プラズマ乱流 / 長距離相関 / 乱流偏在 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では静電および磁気プローブと乱流トモグラフィを用いた多点同時計測によってトカマクプラズマにおける乱流輸送の長距離相関や非対称性の実態を明らかにするものである。本年度はトーラス装置PLATOにおいては、トカマク配位を形成するための立ち上げ実験を進めた。オーミック放電に加えてECHの補助や局所ヘリシティ入射によるトカマクプラズマの生成を試みている。これらの立ち上げ補助や壁コンディショニングのための機器の拡充が進められた。また、これらの実験と並行して直線装置PANTAのトモグラフィデータを利用し、トモグラフィ画像の時系列データから速度場を推定する手法の開発を行った。速度場推定による流れ場の可視化は乱流による構造形成や巨視的な流れ場との相互作用を理解する上で有効である。さらに、これらの手法はPLATOでのトモグラフィ計測に応用可能なものである。これまでにフーリエ・矩形関数展開を用いた1次元での周方向速度推定に成功し、2次元推定への拡張を行った。2次元推定では局所的な発光量の時間変化から推定する手法とフーリエ・ベッセル関数を用いたフィッティング法を提案し、比較を行っている。これらの手法を実際にPANTAの3次元トモグラフィシステムに適用し、揺動に起因する周方向速度の変調や軸方向位置による速度場構造の差異を観測した。これらの結果は日本物理学会やプラズマ・核融合学会で発表した。現在開発した手法と適用結果についての論文を執筆している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PALTO装置においてプラズマ立ち上げのための補助装置の拡充が進み、実験を行っているが現時点ではトカマクプラズマの生成には至っておらず乱流計測ができていない。一方でPANTA装置のトモグラフィ計測データを用いて速度場推定法の開発を行うことができた。この手法はPLATOでの計測にも応用可能なものであり、乱流と共存する巨視的な流れ場を抽出することが可能である。クロススケール結合やそれに伴う長距離相関の観測において有効な手法であり、現在論文を執筆している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はPLATOにおいては引き続きトカマクプラズマの生成を試みる。並行して乱流輸送計測のための静電、磁気プローブ群を整備し、トカマクプラズマにおける乱流の非対称性や長距離相関の実測に挑戦する。プローブ計測に加えて、トモグラフィデータに対して今年度開発を行った速度場推定法を適用することで巨視的な流れ場と乱流輸送の相互作用を明らかにする。
|