2023 Fiscal Year Research-status Report
線形ガウス状態空間モデルを使った諸予測と、高次元での実用化に向けた高速化
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22KJ2458
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 航 九州大学, マス・フォア・イノベーション連係学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | 時系列解析 / 多変量解析 / カルマンフィルタ / スパース推定 / ブートストラップ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)多変量線形ガウス状態空間モデルについての研究を行っている. 本研究では, カルマンフィルタを用いた予測誤差の相関関係を利用した予測を効率よく行う手法とその特徴を示した. (2)線形ガウス状態空間モデルに関するスパース推定の研究を行っている. 現在, 2通りの推定手法を構築している. 1つ目は, カルマンフィルタをベースとして, 状態ベクトルを逐次的にスパース推定する方法である. この方法は高速であり, 各時点ごとにスパース推定を行うため, 非ゼロな変数の時系列的な変化に対応できることが特徴だと考えている. 推定手法の2つ目は, ベイズ推定を利用した, 多変量動的回帰のスパースモデリングである. この手法は, 一定時刻ごとに観測される, 日別データを分析することを目的としており, 隣接した時刻のモデルの類似性を考慮したスパース推定ができるという特徴を持つ. (3)モデル選択の平滑化手法であるparametric bootstrap smoothingを使った予測について研究している. 本研究では, リサンプリングに用いる分布により予測精度がどのように変化するのか, また良い予測精度を持つリサンプリング分布を選択するためにはどうすれば良いか検討している.
これらの一連の予測手法について, バス・食堂の混雑度や電力需要の予測に応用を行っている. いくつかの手法は, 組み合わせることが可能であり, そのときの予測精度・計算速度を検証を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究(1)について論文化したものが, 国際誌Computational Statistics & Data Analysisに採択された. また, 研究(3)についても論文を投稿し, 現在査読を受けている. 研究(2)に関しては, 2023年度統計関連学会連合大会において発表を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
主に研究(2)について研究を進めていき, 論文化を目指す. 今後の展望として, カルマンフィルタをベースとしたスパース推定手法に関しては, 正則化項の変更や, 正則化パラメータの最適化方法について検討する. 多変量動的回帰のスパースモデリングに関しては, 時空間モデルへの拡張を目指す. また, 因子分析を動的回帰に組み込んだ時系列モデルについても検討しており, こちらのスパース推定手法について, 研究(2)を絡めて開発を行う予定である.
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Causes of Carryover |
物品の支出が想定よりも少なかったため, 次年度の書籍購入等の資金に充てる.
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