• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

生体適合性イオン液体液晶の開発とその非侵襲性経皮ワクチンへの応用

Research Project

Project/Area Number 22KJ2481
Allocation TypeMulti-year Fund
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

原 江希  九州大学, 工学府, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2023-03-08 – 2025-03-31
Keywordsionic liquid / liquid crystal
Outline of Annual Research Achievements

本研究では生体適合性・経皮浸透促進効果の優れたイオン液体を計算化学によりスクリーニングする方法を構築し、それを用いたイオン液体液晶キャリアを創製し高性能な経皮ワクチンの開発を目指している。令和4年度では、COSMO-RS 計算化学ソフトを用いて分子の表面電荷を「毒性のメカニズムに基づく変数」とし、機械学習を駆使してイオン液体の毒性予測モデルを構築した。令和5年度では、選択したモデルのRandom Forest Regressor (rf)がこの毒性予測において適しているかを検討するためPycaretを用いて18種類のモデルを比較した。その結果、Huber Regressor (huber)がモデルとして最適であることが示唆された。Huber Regressorは、回帰分析において使用されるモデルの一つである。Huber損失関数を最小化するようにパラメータを学習し、外れ値に対してロバストな予測を行う。Huber損失関数は、外れ値による誤差が小さい場合は二乗誤差を、外れ値による誤差が大きい場合は絶対値誤差を使用する。これにより、外れ値の影響を適切に制御しながらモデルを学習することができる。現在の学習データはデータ数が少なく、説明変数としてσ-profileのみが用いられ、外れ値が多くなったため、外れ値や異常値の存在に対して頑健な性質を有するHuber Regressorが最適となったと考えられる。
また、非常に優れた生体適合性、皮膚浸透性を有していたコリン及びオレイン酸を用いたイオン液体について核酸試薬の細胞内送達試験を行った。その結果、トランスフェクション試薬であるオリゴフェクタミンを加えた群より高い細胞内送達を達成した。これによりコリン及びオレイン酸を用いたイオン液体と核酸試薬が複合体を形成し負電荷を打ち消すことによって細胞内に送達しやすくなることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

毒性予測モデルの最適化により進捗状況としてはやや遅れている。
令和4年度で毒性予測モデル(Random Forest Regressor:rf)を用い、毒性予測モデルを構築したが、この毒性予測モデルを用いたIL[Cho][Ole]、IL[Cho][Oct]の毒性予測値と実験値では大きな差が見られ、実用するには精度が低かった。そこで、精度を向上させるためにサンプル数の拡充や18種類のモデルによる比較を行った。その結果、Huber Regressor (huber)がモデルとして最適であることが示唆された。huberを用いた新規毒性予測モデルはtest dataのR2値は低くなったが、毒性予測の予測性能はrfを用いていた予測モデルと比較して向上した。

Strategy for Future Research Activity

毒性予測モデルの構築については、Huber Regressor (huber)をモデルとして決定し、実用可能なレベルまで性能を向上させる。そのためにさらなるデータ数の拡充、ハイパーパラメータのチューニング、アンサンブル学習、特徴量(目的変数)の選択または新しい特徴量の追加を行っていく。
令和5年度にて着手したイオン液体キャリアによる核酸試薬の経皮送達・細胞内送達については、in vitroからin vivoの実験に移行する。

Causes of Carryover

構築した毒性予測モデルの精度が低く、イオン液体の合成・分析を行うという当初の予定を変更し精度の向上に尽力したため次年度使用額が生じた。モデルをhuberに変更し精度が向上したため次年度では毒性予測を行ったイオン液体について実際に合成・分析を行う。合成では試薬費用や溶媒費用、分析ではNMRやSAXSなどの測定費用、それに伴う消耗品の購入に充てる。また、動物実験に伴う購入費にも充てる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2023

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 生体適合性イオン液体液晶キャリアの開発と核酸医薬の経皮送達及び細胞内送達2023

    • Author(s)
      原 江希
    • Organizer
      化学工学会第54回秋季大会
  • [Presentation] 生体適合性イオン液体液晶キャリアの開発と核酸医薬の経皮送達2023

    • Author(s)
      原 江希
    • Organizer
      第39回日本DDS学術集会

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi