2023 Fiscal Year Research-status Report
エクソソーム表面抗原を利用した核酸医薬の細胞内送達法の開発
Project/Area Number |
22KJ2502
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大山 将大 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | 抗体結合型核酸 / 核酸医薬 / 細胞外小胞 / ドラッグデリバリーシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、標的組織や搭載する核酸医薬に応じた細胞内送達法プラットフォームの構築を目的とし、細胞外小胞に随伴する抗体結合型核酸の開発を目指す。 今年度は、二反応性のPEGリンカー(Maleimide-PEG6-NHS)をリンカー構造として採り入れた共有結合型の抗体結合型核酸の合成検討を行った。 (a)5’末端・3’末端にそれぞれアミノ基と蛍光分子が標識された1本鎖のオリゴ核酸とPEGリンカーを混和した。反応物を逆相カラムクロマトグラフィーで精製・分取し凍結乾燥を行ったのち、MALDI-TOF/TOF質量分析を行った。本反応について、反応溶媒やリンカーの当量数および反応時間を種々検討したところ、リンカー導入効率を約4割まで高める反応条件を見出した。 (b)TCEP塩酸塩を用いて抗体の鎖間ジスルフィド結合を還元した後に、リンカー導入オリゴ核酸と混和し、コンジュゲート反応を行った。反応物をアフィニティークロマトグラフィーで分離したところ、2本のピークが確認された。1本は未反応のオリゴ核酸であったが、もう1本はタンパク質由来の280 nmの吸収と蛍光分子由来の555 nmの吸収を併せ持つピークであったことから、コンジュゲート体が得られたと推察した。また、本コンジュゲート体をSDS-PAGEによって分析したところ、抗体とほぼ同程度の分子量である150 kDa付近にタンパク質と蛍光分子のバンドが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、非切断型のPEGリンカーをリンカー構造に取り入れた抗体結合型核酸の合成検討を進めコンジュゲート体を得ることができた。共有結合型のコンジュゲート体の合成基盤が整ったことから、次年度の有効性評価および構造最適化を円滑に進めることができると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である次年度は、今年度に得られたコンジュゲート体の細胞内取込や造腫瘍能抑制効果の検証を行う。また、細胞内で切断されるリンカーを採り入れたコンジュゲート体を作製し、同様の評価を行う予定である。
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